世界の中心
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リボーンは獄寺が生まれたときから知っている。獄寺の世話係、教育係をして成長を見守り、今は獄寺の護衛が仕事だ。
そんなリボーンから見れば、獄寺はいくつになっても子供に見えるのかもしれない。獄寺は納得がいかないが。
「オレの人生最大の失敗は、お前の育て方を間違えたことだ」
「そこまで言いますか」
「毎夜毎夜パーリィばかりしやがって」
「だって楽しいんですもの」
なんの悪びれもなく答える獄寺。特にダンスが楽しいんです。と獄寺は笑って言った。
「その内攫われるぞ」
「そうなったら当然リボーンさんが助けてくれるんですよね?」
「仕事だからな」
いつもと同じ言い回しに獄寺は笑う。そこには先ほどのパーリィでの大人の女の顔はなく、幼い少女がいるだけだった。
獄寺は身を翻す。
「どこに行くんだ?」
「いつもの部屋で、ダンスの練習を」
「今日はもう遅い。明日にしろ」
「今踊りたいんですよ」
リボーンさんも踊りますか?と冗談交じりに振り返って言えば、意外にもリボーンも着いてきた。ため息を吐きながら。
「来てくださるんですか?」
「仕事だからな」
仕方ないと言いつつ、リボーンの目は優しい。リボーンもなんだかんだで獄寺の踊りは好きなのだ。
リボーンが獄寺に手を差し出す。獄寺は笑ってその手を取る。
「明日のパーリィはリボーンさんも一緒に踊りますか?」
提案、と言うよりはふと頭に浮かんだことをそのまま口にしただけ、と言う感じの獄寺。
リボーンはその言葉を聞きながら、馬鹿な男除けになるならそれもまた一興かもな。と半ば本気でそう思った。
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オレはもっとお前に淑やかになって欲しいんだがな。無理か。
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