最愛の人を蘇らせる為の唯一の方法
1ページ/全16ページ


昔々、あるところに狂った機械がありました。

狂った機械は頭がいかれていて、思考が歪んでいて、だけどそれが正常でした。

だから狂った機械は、可哀想なことに自分の修理の仕方さえわかりませんでした。


―――ならばいずれ壊れるのは、当然のことで。


狂った機械は人間から生まれました。

狂った機械は人間の身体を持っていました。

だから狂った機械は、愚かしいことに自分も人間なんだと盲信しておりました。


―――そんなこと、あるはずがないのに。


狂った機械は故障品でした。

狂った機械は失敗作でした。

狂った機械は、本来ならば廃棄処分されて、それで物語はおしまいになるはずでした。


―――そうならなかったのが、悲劇の始まり。