最愛の人を蘇らせる為の唯一の方法
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昔々、あるところに狂った機械がありました。
狂った機械は頭がいかれていて、思考が歪んでいて、だけどそれが正常でした。
だから狂った機械は、可哀想なことに自分の修理の仕方さえわかりませんでした。
―――ならばいずれ壊れるのは、当然のことで。
狂った機械は人間から生まれました。
狂った機械は人間の身体を持っていました。
だから狂った機械は、愚かしいことに自分も人間なんだと盲信しておりました。
―――そんなこと、あるはずがないのに。
狂った機械は故障品でした。
狂った機械は失敗作でした。
狂った機械は、本来ならば廃棄処分されて、それで物語はおしまいになるはずでした。
―――そうならなかったのが、悲劇の始まり。
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