最愛の人を蘇らせる為の唯一の方法
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獄寺がリボーンのセーフハウスに置かれてから早数ヶ月が経った。
獄寺の一日は掃除に始まり掃除に終わる。
夜明けよりも前に目を覚まし、まずは主たるリボーンより授かった拳銃を分解・掃除・手入れ。
部屋の掃除をしているとどこからともなく悪意有り人種の接近を察知。撃ち殺す。
掃除の再開。途中で昨夜の食事の残りを摘んで、また掃除。
途中、悪意有り人種の接近を感知。撃ち殺す。
掃除を終わらせ、死体の処理。家の中も外も綺麗に、綺麗に。
最後に夕食を作り、主の帰りを待つ。
リボーンは基本的に家にいない。いつも外に出ている。恐らくは、仕事で。
いつ帰ってくるかはわからない。数日戻らない時もある。戻ってきても、すぐに出ていくこともある。
でも、いつか。
いつか、食べてもらいたい。
一応、食材については自由にしていいと許可は頂いている。あと弾丸も。
今日の夕食はミネストローネにカルパッチョ。それからブルスケッタ。レシピは本屋でさっと立ち読みした時に頭に叩き込んだ。
冷めていく料理を眺めていると、獄寺の気持ちも落ちていく。
今日も帰らない。今日も食べてもらえない。
もっとも、帰ってきたところで食べてもらえないかもしれないけど。
獄寺はただただ主を待つ。主のためになるよう考える。
リボーンは食事に無頓着で、いつも携帯口糧と水ばかり口にしている。
それを悪いと言うつもりは毛頭ないが、やはりいつもそれでは味気ないのではなかろうか。
リボーンは別に味のある食事を嫌っているわけではない。依頼人に一緒に食事をと誘われれば普通に応じるし、好き嫌いがあるわけでもない。
ただ、いつも用意するのが面倒なのだというだけのこと。
ならば。と獄寺は思った。ならば、自分が用意すれば、それを食べて頂ければ、それを美味しいと言ってくれたなら。
それは獄寺にとって歓びだ。嬉しいなんて、そんな言葉で言い表すことができないくらい。
日付が変わろうとしている。今日もリボーンさんは戻らないのだろうか。とぼんやりと思っていたら―――
熱量感知。
足音パターン照合。―――…一致。
相手ヲリボーンデアルト断定シマス。
獄寺は直ぐにドアの前まで移動する。程なくして、扉が開く。現れるのは獄寺の主―――リボーン。
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