夢から覚めた日
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気が付くと、暗闇の中にオレはいて。

光が。オレの前に映し出されていて。

何気なくその光を見つめていると、光の中には見知った人物が笑ってた。


―――10代目?


そう、光の中には10代目がいて。楽しそうに朝食を取っていた。

やがて登校時間が来たのか、10代目は少し慌てて鞄を掴んで家を出る。

少し走って、学校に近付いてきたところで山本と合流する。

10代目と山本は昨日のテレビがどうとか、今日当たるところがこうとか、そんな話をしながら歩いていて。

校門の前には、学ランを着た風紀委員が沢山いて。よく見ると『風紀強化月間』なんてのぼりが掛けてあって。


………なんだそりゃ。


10代目と山本のところに雲雀が来て。何か嫌味を言って。けれど山本が軽くあしらって。

一触即発――ってときに内藤が現れて。いつもの馬鹿やって。騒ぎはいつの間にかうやむやになって。

そうこうしているうちに授業が始まって。10代目も山本もちゃんと話を聞いているんだけど意味は分かってないようで。

それを教員に見破られたのか二人にだけ大量の宿題を渡されて。二人は泣きそうな顔になって。

昼になって。屋上で昼食を突きながら宿題の対策を練るも解決策はまるで出ないようで。

帰り際、笹川がいつものように10代目をボクシングに誘おうとするも、宿題のある10代目は足早に帰って。

帰ったら帰ったで、ちびたちにハルに跳ね馬が10代目を待ち受けていて。

10代目は宿題を片付けたいだろうに、結局はいつもの騒ぎに巻き込まれて。

夜になって。リボーンさんの手も借りながらようやく宿題を終わらせて。10代目は机の上で寝てしまって。


そして、また朝が来て―――


気が付くと、光は随分薄らいでいた。

ぼんやりと、今まで見ていた光景を思い描く。

穏やかな、日々だった。

毎日続いてた、日常だった。


けれど、そこには―――