夢とハヤトたん
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そして、その日もまた…ハヤトは笑顔だった。


「きゅー!!リボーンさん聞いて下さい見て下さい!!」

「なんだ?どうしたハヤト」


どたばたと廊下を駆けながらハヤトは愛しい愛しい旦那さまリボーンの胸元へと飛び込んでくる。…が、その一歩前で何もないところでハヤトは自分の足で躓き、すっ転ぶ。


「きゅ!」


けれど待っていたのは床の冷たく固い感触ではなく…あたたかく、優しい腕の中。…リボーンが間一髪でハヤトを抱きとめたのだった。


「ありがとうございます!!そしてリボーンさん、これ!これ見てください!!」

「ん?…手紙?」


ハヤトがリボーンに差し出したのは一通の手紙だった。…差出人は―――


「シャマルから?」

「きゅー!!」


リボーンの言う通り、その手紙はシャマルからのものだった。シャマルと言えば世界的に有名な俳優であり、かつハヤトと幼い頃からの知り合いだったりもする。


「シャマルおじさまがですね、大きなお休みが取れたそうです長いお休みが取れたそうです!!そしてハヤトの所まで遊びに来て下さるそうです!!嬉しいです!!きゅーきゅーきゅー!!」


ハヤトは興奮覚め止まぬといった感じで嬉しそうに始終きゅーきゅー鳴いていた。

それもそのはずで、ハヤトの中ではシャマルと最後に会った記憶は三つぐらいのときしかない。

本当は14歳のときにも一度会っているのだが…色々あってハヤトはその時のことをあまりよく覚えてなかった。

なので、ハヤトにとっては本当に久し振りで、今から会えるのが楽しみで楽しみで仕方がないのだった。