夢とハヤトたん
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「リボーンさん、ハヤトはリボーンさん特製プリンが食べたいです!!」

「そうか。なら今から作って……」


「―――ちょっと待った」


「………なんだ?」

「お前さんがプリンを作るというのなら…オレだってプリンを作る!!」


(意味分かんねぇ…)


「きゅー!シャマルおじさま、お菓子作りも出来ちゃうですかー!?凄いです!!」

「役になりきれば軽いもんよ…」

「はぁ…」


どうやらシャマル、長女ちゃんの言葉からリボーンに対抗心をメラメラと燃やしているようだった。

しかもシャマルに激しい対抗心を燃やされる日々はそれからも続き、癒されるべき家庭で何故かリボーンの胃が痛くなっていくのであった…


「というか、仕事はどうしたんだ?長期休暇が取れたと言っていたが、それはどれぐらい…」

「ああ、仕事は辞めた」

「やめ…!?」

「どうせそろそろ潮時だって思ってたからいいんだよ。今までたらふく稼いだし。それにオレのスイートハニーが目の前にいるってのに、仕事なんて出来るか!!」

「………」


恋は人を変えるって、本当だったんだな。とリボーンはぼんやりと思った。

まぁそんなことが続きながらも、とうとう長女ちゃんも落ちた。

というか、実は幼き頃よりテレビ越しのシャマルに好意を抱いていた長女ちゃん。

しかしまさか自分が告白をされるとは思ってはおらず、更には自分は結婚などしないと思っていたから気持ちが戸惑っていたようだった。

しかし今では、シャマルの猛烈なアタックによりテレビ越ししか見ていなかったときより更に好きになっていたようで。めでたく結婚の運びとなった。

ちなみに、その前日。

シャマルはリボーンに呼び出され、


「あいつはオレの可愛い娘だ。…泣かせたら容赦しねーからな」


と、その昔シャマルがリボーンに向けて放った言葉をお返しされていた。

シャマルは苦笑しながら、けれどすぐ真剣な表情を作り頷いた。