雲雀恭弥の憂鬱
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そしてその夜。
雲雀はいつもより遅い時間に自室に戻ってきた。
けれど未だ付いている明かりを見て、少し雲雀は驚いて。
「まだ起きてたんだ」
「ん…うん」
少し眠たそうに応えてくる次女ちゃんに雲雀は苦笑する。
「寝ててもよかったんだよ?明日に障るし」
「…やだ。雲雀が来るまで起きてるもん」
「そう」
明かりを消して雲雀も次女ちゃんのいる布団の中に入り込む。
「それじゃ、おやすみ」
「………」
眠ってしまおうとする雲雀に対し、むーっと睨みつけながら無言の抗議をしてくる次女ちゃん。
「…何?どうしたの?」
どこかからかっているような口調の雲雀に、けれど次女ちゃんは負けずに答える。
「………おやすみのキスしてくれないと、一日が終わらない」
少ししおらしくって来る次女ちゃんが可愛くて。雲雀は笑って次女ちゃんの唇にキスをして。
「…これで満足?僕の可愛いお嫁さん」
「うん。…えへへ」
次女ちゃんは嬉しそうに笑って、そしてもっととキスをねだるのだった。
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