雲雀恭弥の憂鬱
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そしてその階下。リボーンの部屋では…
カラン…
ガラスのコップの中の氷が音を立てて揺れる。
この家の主人とその妻は窓から見える綺麗な満月をつまみに晩酌をと洒落込んでいた。
ちなみに、リボーンはもちろんのことハヤトもかなり意外なことに酒には強い。
まだハヤトが結婚する前、酒で腰砕けにさせようとツナが目論んだがそれが失敗したぐらいの強さだ。
「…はぅー、雲雀さん…少しは照れ屋さんな所も治って下さると嬉しいんですけど…」
「ま、朱に交われば赤に染まるもんだ。いつか感覚が麻痺して照れも消えるだろう」
本日早速その兆が見えたのだが、でもそれはまだこの二人も知らないこと。
「…はぅー…」
ハヤトが顔を赤くさせてリボーンに擦り寄ってくる。リボーンは少し珍しいものを見るように、
「なんだもう酔ったのか?いつもならまだ平気なのに」
「うーんどうでしょう…なんだか…お酒を飲むリボーンさんがいつも以上に格好良く見えて…」
どうやらハヤト、酒ではなく酒を飲むリボーンに酔ったようだ。
「リボーンさん…」
キスをねだるようにリボーンの首に腕を回すと望んだだけの甘く優しい口付けをリボーンはしてくれる。
「えへへ…リボーンさん、大好きです」
いくつ目になるかも分からないハヤトの甘い告白。けれどリボーンもいつも同意の意を返してくれる。
それは長い長い夜のこと。
ハヤトとリボーンの甘い晩酌は、その日は夜遅くまで続いたという。
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たまにはこんな日もいいですね。
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