最終兵器次女ちゃん
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「…はぁ。ったく、忘れた頃にやってくるって言うか…なんとも大変な時期に出来ちゃったねー…」
「えと…うう、ごめんなさい…」
「いや、別にハヤトが謝る事ないけど…どうしようか…」
少し困ったように頭を抱えるツナ。
実は妊娠が発覚したのはハヤトが出演するドラマの続編が決定した直後だったのだ。
そのドラマはかなり人気で、降りることも出来ない。
「今リボーンが監督と話してるはずだけど…どう出るかなー…困ったなー…」
「あう、ううう…」
「それにしても…はぁ…」
ツナがため息を吐く。なんだか遠い目をしていた。
「中学生だったハヤトが…今や三児の母…か。懐かしいなぁ…」
「………もー、またその話ですか?」
ツナはハヤトが母になったことがそんなにも衝撃的だったのか、ハヤトが芸能界に復帰してからと言うものその話題ばかりしてくる。
「…社長はハヤトが結婚すること…反対でしたか?」
「いや、反対って言うか…ていうかあの結婚報告はないと思ったよ…」
更に遠い目をしてツナが言う。
「もう…ね。デビューしたての中学生時代はベッドシーンの意味も知らなかったのにさ…!その子が結婚ってそりゃショックだったよ」
「もぅ、一体何年前の話をしているんですか?凄い昔の話じゃないですか!」
「いや、そうは言うけどさ…」
ちらりとツナはハヤトを見る。
…その外見は驚くほどスカウトしたての中学二年生時代と大差がなかった。
確かにスカウトしたのは物凄く昔話になるのだろうが、しかしハヤトの外見がそうは思わせてくれない。
本当に数日前の出来事のようにツナには思えるのだった。
「…そういえば。ハヤト」
「はい?」
「流石にもうベッドシーンの意味…理解したよね」
「それは…まぁ、はい」
ちょっと顔を赤らめさせながらハヤトは言ってくる。意味が分かっている証拠だ。
「実はそんなハヤトにそんなシーンのあるドラマへの出演以来が着てるんだけど…どうする?」
「はぁ…って、えぇぇぇええええ!?」
ハヤトが動揺する。アイドルになり芸能人になり数多くのドラマをこなしてきたがハヤトは未だにそういうドラマはやっていなかった。
「どうする?ハヤト」
ツナが笑いながら聞いてくる。ハヤトは戸惑うばかりだ。
「そ、そそそそそ、その、えと、ハヤトは…」
ハヤトが後退りしながらも何かを言おうとしたそのとき、社長室に第三者が現れた。
「ツナ。入るぞ…―――監督との話が付いた。代役はなしで、ハヤトが退院するのを待つそうだ…ってどうした?」
現れた第三者はハヤトのマネージャーで旦那さまなリボーン。
ハヤトはリボーンの背に素早く隠れた。そしてリボーンの服の裾を掴みそっと影から顔を出す。
「は…ハヤトは、その…リボーンさんとしか、そゆこと、するつもり…なくて」
「うあ…熱いこと言われた…って大丈夫だよハヤト。言ってみただけだから。てかハヤトがやりたいって言っても無理矢理キャンセルさせるし」
「うう…社長、趣味が悪いんですー」
ごめんごめんと謝るツナに不貞腐れるハヤト。リボーンだけがひとり話題に取り残されていた。
「…何の話だ?」
そうしてハヤトは三回目の育児休暇を取り家へと戻った。
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