最終兵器次女ちゃん
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ハヤト立案「雲雀さんの日を作ってしまいましょう計画」には運良く…或いは運悪く休みだったリボーンも無理矢理参戦させられた。


「リボーンさん!いつもお世話になってる雲雀さんに今日は感謝しましょう!」

「いきなりどうした」

「思えば雲雀さんにはハヤトがアイドルになったばかりの頃からずっとずっとお世話になりました!」

「そうだな」


ハヤトの送迎だけに留まらず、ハヤトが寮に入ってからはハヤトの家事係にまで昇格した雲雀。

最初こそは「女の子の世話なんて!」と反対していた雲雀だったが時の流れは何とやら。

いつしか雲雀もそんな生活にすっかり慣れてしまいハヤトの下着を見ても何の反応も見せなくなった。

強いていうなら「可愛いじゃない」ぐらいか。しかもその口調はまるで母親そのもので、この頃から雲雀の感性は母親のようなものになったのだろう。

そんな雲雀もハヤトが結婚してようやく離れる…のかと思いきやハヤトが心配で心配で心配で何故か育児休暇を取ってくる始末。

そしてやっぱりハヤトの世話をし子供が生まれてからはそれまでの生活にプラスして子供の世話も雲雀が行っていた。

更にちったいハヤトが幼稚園に通うようになってからはその送迎・お弁当作りも雲雀が。

来年からはちったいリボーンさんも幼稚園に行くからそのときの送り迎えも雲雀がする予定だ。

夕方、迎えに行く雲雀をさり気に保母さんが狙っていると言う噂があるが、残念なことにその時の雲雀の頭の中を締めているのは夕飯のお買い物だけだった。

子供と買い物をしながら帰り、夕飯作り。パパ、ママに会いたいと言う子供達をなだめているとハヤトとリボーンが帰ってくる。

そして二人の荷物を受け取り夕飯を出し食事の後は片付け。お風呂に入るのも布団に入るのもこの家で一番最後は雲雀だ。

…もうお世話になってるとか、そういうレベルではなかった。


「なので今日を雲雀さんの日にしましょう!お夕飯をハヤトたちで作るんです!!」

「………」


リボーンは思った。

ハヤトの作ったあれを雲雀に食べさせる…

雲雀は次の日腹痛で動けなくなるのではないだろうか。ある意味雲雀の休息になるだろうが。


「…料理はオレが作るから、お前は子供と一緒に遊んでろ」

「えぇ!?そんな…ハヤトも…お手伝い…」


リボーンのまさかの否定にハヤトは見る見るうちに涙を溜める。それが溢れて…


「―――分かった分かった。じゃあ子供と一緒に居間の飾り付けをしていろ」

「…飾り、付け?」


ぴたりとハヤトの涙が止まる。


「そうだ。部屋を飾って、雲雀を驚かせてやれ」


というか雲雀の日なんてものがいきなり出来た時点で雲雀は驚くだろうが。

しかしハヤトはそんなことには気付いていないようで、ぱぁっと顔を輝かせた。


「…はい!ハヤトはやります!頑張ってしまいますよ!!」

「ああ。頑張ってこい」


リボーンはハヤトの頭を撫でてからハヤトと子供達を居間へと放った。


「さて…」


リボーンはキッチンにと向き合う。

確かに雲雀には日頃から世話になっているし、少しぐらい力を入れて作ってやるか。

そう思い、リボーンは冷蔵庫の中を見ながらレシピを考えていった。