任務によって一時日本を離れていたリボーン。
その任も終わり、イタリアから戻ってきた。
向こうでは雲一つない快晴だったが、海を跨いだこちらは雨だった。
と言っても土砂降りではない。小振りでもないが、まあ、濡れるだけで済む。
そう思い、歩き出す。
雨が、止んだ。
リボーンの、真上だけ。
何故か。
傘が、差し出されたからだ。
誰が。
目の前には、獄寺がいた。
「どうした、こんな所に」
「今日、この時間に戻ると聞いていたので…その、迎えに」
しかし、この場所を教えた覚えはない。
いや、あると言えばある。ずっと前に、話の流れでこの場所を言ったか。まさかそれを覚えていたのだろうか。
「不要でしたか?」
「いや、助かった」
言って、リボーンは獄寺の胸元に飛び込む。獄寺は片腕でキャッチする。
「リボーンさん?」
「こうしないと、お前が濡れる」
「オレは構いませんが…」
「オレがツナにどやされるんだ」
だから仕方ない、といった体でリボーンは獄寺の胸元に収まっている。
獄寺は困ったような、しかし嬉しいような、そんな顔をして。
雨の中、雨に濡れず、歩き出した。
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「お前も家に来い」
「…そうですね。お邪魔させて頂きます」