ある大きな森に一羽の黒いウサギがおりました。

この黒いウサギは不思議な力を持っていて人間の言葉を話したり、不完全でしたが人間の姿になることが出来ました。

でも森の動物たちはそんな彼を恐れ近寄ろうとはしません。
だって小さなウサギが人間になったりするんですよ?
それに人間みたいに言葉を話したりするんですから動物達は彼を仲間として認めませんでした。

森の外の人間も彼を見かけても「化け物」と叫んでは怖がり逃げていきました。
だって人間の姿になっても長い耳とまん丸な尻尾を彼は隠すことが出来なかったのですから!
それに人間の姿になる前からウサギのままで人間の言葉を話したりする姿はとても不気味に見えたのです。

そのため動物たちの中に入ることも出来ず、人間たちにも受け入れてもらえない彼はいつもひとりぼっちで森の奥に隠れて過ごしていました。




彼は元から一人ぼっちだったわけではありません。
森の奥には彼のように人間になったり、言葉を離したり出来る不思議な動物が沢山いました。
けれどある時を境に一部の人間が彼らを「商品」として捕まえ始めたのです。

ある仲間は見世物に。
ある仲間は剥製に。

まだ幼い彼は樹の幹にある小さな隙間に体を隠すことで何度も襲ってきた人間達から逃れ続けました。
しかしそんな出来事が続けば続くほど彼の回りからは仲間が減っていきます。
そして何度も人間の襲撃が続き、気がつけば森にいる不思議な動物は彼だけになっていました。
みんなみんな人間に捕まってしまったのでしょうか。
それとも人間を恐れて別の森に移ったのでしょうか。
幼いウサギにはわかりません。
けれどコレだけはわかりました。


不思議なウサギは大きな森に一羽だけ。


きゅーきゅーと鳴いても答えるものがいなくなり、大人になる頃にはウサギは無口になっていました。



そんなある日、珍しく黒いウサギは森の中をぴょんぴょんと飛んで逃げていました。
不思議なウサギの噂を聞いた狩人が彼を売り物にするべく追いかけてきたのです。

ダーン!

大きな音が盛りに響き渡りました。
狩人が打った銃弾がウサギの足を貫いたのです。
でもウサギもここでつかまるわけには行きません。
最後の力を振り絞って木陰に隠れると、小さな体を生かして狩人の通れない大きさの小道からゆっくりとその場を離れました。

しかし命からがら逃げ延びたウサギでしたがそんな彼を助けてくれる動物は森にはいません。
みんな怪我を負ったウサギを見ては右へ左へと逃げていきます。
そして誰もいなくなった草むらに倒れこむとウサギは目を閉じました。

ジクジクト痛む足。
けれど足を舐めたくても動くだけの力を逃げるときに使い果たしてしまいました。
ウサギの黒い毛並みも血に汚れて真っ赤です。

このままひとりぼっちでウサギは死んでしまうのでしょうか?
誰もがそう思ったとき、小さな腕が彼を包み込むのでした。




黒いウサギが目を覚ますとそこは人間の家の中でした。
暖かな暖炉にふかふかのクッション。
丁寧に包帯の巻かれた足を見たウサギは長い耳をぴくぴくと動かしながら辺りを見渡しました。


「ウサギさん、目が覚めましたか?」


動いたウサギに気がつき声をかけたのは小さな女の子でした。
銀の髪に緑の瞳の幼い少女。
ウサギは何度か森の中で花や草を摘む彼女を見かけたことがありました。
確か、森のはずれの家にたった一人で暮らしている女の子です。


「お前が助けてくれたのか?」


怖がられるかと思いましたがウサギはポツリと尋ねました。


「すすすすすす凄いです!ウサギさんはお話が出来るんですか!」


女の子はそう言いながらウサギをぎゅっと抱きしめました。


「怖くないのか・・・?」

「すごいですよー!ハヤト感激です」


ハヤトと自分を呼ぶ少女は本当に嬉しそうです。


「ウサギが話すんだぞ?」

「そうですねー、すごいウサギさんです」


ハヤトはウサギをクッションの上におろすと両手をぱちぱちと叩きました。
馬鹿にしてるわけでもなく心の底から褒めてくれているようです。
なんだか女の子の態度に力が抜けたウサギはピンとはっていた耳を下ろすとハヤトの顔をじっと見ました。


「とりあえず助けてくれたことには感謝する」

「はい、困ったときにはお互いさまなのです」


ぺこっと頭を下げるウサギに、同じようにぺこっと頭を下げる女の子。


「なぜお前まで頭を下げる」

「あははは・・・ウサギさんにつられちゃいました」

「そうか・・・」


ウサギに呆れられる少女。
よっぽどの愚か者か大物なのでしょう。
ウサギは気づかれないようにため息をつきました。


「はぁ・・・まぁ世話になったな。それじゃあ」

「それじゃあ、ってウサギさん何処に行くんですか?」

「俺は森に帰る」

「駄目ですよ!まだそんな体じゃ無理です」


ハヤトはそういうと出て行こうとするウサギの体を持ち上げました。

ジタバタジタバタ

いくら小さい女の子とはいえ、さらに小さいウサギでは体の差で適いようがありません。

ジタバタジタバタ

暴れてもどうしても離そうとしない女の子。
ウサギはしょうがないと諦めると意を決してポンと音を立てて変身しました。
不完全とはいえ人間の姿なら女の子より体格は上です。
それに変身する姿を見れば気味悪がるか他の人間のように怖がって自分を放してくれるかもしれません。
ウサギはそんなことを考えながらゆっくりと少女の方を振り返りました。

怯えているか困惑している・・・。

助けてくれた相手を怖がらせるのは本位ではありませんでしたがウサギは女の子の顔を見ました。


「ウサギさん!すごい!!すごいですよー!!!」


きゃっきゃっと喜ぶ女の子。
何かの見間違いでしょうか?

ウサギは一度目を閉じて背を向けるともう一度振り返りました。


「すごいですー!ウサギさんは人間の姿になるんですねー!!」


もう一度見ました。
見間違いじゃないようです。

女の子は・・・怖がりもせず突き放しもせず頬を赤らめ興奮気味に喜んでました。


「気持ち悪くないのか?」

「格好良いですよー」

「人間の言葉をウサギが話すんだぞ?」

「賢いウサギさんなんですねー」

「人間の姿に変身するんだぞ・・・?」

「本当に凄いウサギさんなのですー」


微笑みながらウサギに拍手を送るハヤト。
ウサギを拘束していた腕はすでにとかれていましたが少女の言葉にウサギはその場を動けずにいました。


「お前は・・・俺が怖くないのか?」

「はい?さっきもウサギさんは聞いてましたけど何を怖がるんですか」


ニコニコと笑いながら女の子は人間の姿になったウサギを見上げました。


怖がって逃げ出されなかったのは初めてです。
人間の言葉を話す事を褒められたのは初めてです。
変身する事をすごいと言ってもらった事も初めてです。

そしてこうして笑顔を向けてもらったことも初めてです。
はじめての事だらけでウサギは戸惑いながらも不思議な気持ちに包まれました。


「ねぇ、すごいウサギさん。
 この家にはハヤトしか住んでません。
 だからウサギさんさえ良ければ足が良くなるまでここにいませんか?」


ハヤトは相変わらずニコニコと笑っていました。が瞳は少し不安げでした。
言葉の含みも何処となく遠慮がちで、でもすがるような響きがあります。


「ねぇ、ウサギさん。どうか嫌じゃないならハヤトと・・・」


・・あぁ、そうか。そういえば女の子もひとりぼっちだったんだな。


ウサギは幼い少女が一人だけでこの家に住んでる事を思い出しました。


だからこんな変なウサギでも化け物でも傍にいて欲しいのだろう。


ウサギは鼻をヒクヒクさせてそう考えます。
ひとりぼっちの淋しさはウサギは良くわかります。
だからなんでもいいから傍にいて欲しいという心細さもよく分かってました。
それでも久しぶりに感じた感情は嬉しかったんです。

ウサギはハヤトの言葉への返答の代わりに一度だけ大きく頷きました。



大きな森の中で一人ぼっちだったウサギ。
森のはずれの家にたった一人で暮らす小さな女の子。


こうして不思議なウサギは恩返しの意味を込めてハヤトが一人ぼっちじゃなくなる日まで一緒にいようと心に決めるのでした。





二人が出会ってからいくつもの時が過ぎていきました。

まいた種が芽吹く頃、傷が治ったウサギをハヤトは森に帰そうとしました。
しかし何度森に帰してもウサギはハヤトの後をついて家に帰って来てしまいます。


「ウサギさん、森に帰らなくていいのですか?」

「お前が一人じゃ心配だから傍にいてやる」


ウサギはそう言っては森に帰ろうとはしません。

そして芽吹いた植物が花を咲かせる季節にはハヤトはウサギを森に帰す事をあきらめていました。
だってあれから何度帰しても賢いウサギはどうにかしてハヤトの家に帰ってくるのです。


「ウサギさんはどうしてハヤトの傍にいてくれるんですか?」

「俺が傍にいるのは嫌か」

「嫌じゃないです。嬉しいです。けど・・・ウサギさんには申し訳ない気がします」

「俺がいたくているんだ。気にするな」


そうこうして花が実をつける頃には一人と一羽は隣にいて当たり前の存在になっていました。
ハヤトが歩けば後ろからウサギがついてきて、ハヤトが疲れればウサギが人間の姿になり背負って帰ってくる。

そんな日々が当たり前になったときに、ふと思い出したようにハヤトが呟いたのです。


「いつまでも“ウサギさん”じゃあ言いにくいですね」


だから名前をつけましょう。
ハヤトは変わらぬ笑顔を向けながらウサギに言いました。


「怪我から復活したから“リボーン”・・・リボーンさんなんてどうでしょう」


単純でわかりやすい名前でしたがウサギは一言「好きにしろ」と言うだけでハヤトの考えた名前で呼ばれるようになりました。
ウサギにとっては名前なんてどうでもいいものでした。
だって長い間ウサギを呼んでくれる仲間はいなかったのですから。
けどハヤトと暮らして、名前をつけてもらって、表情や態度には出しませんでしたがウサギは喜んでいました。
どんな意味や理由とはいえ名前を貰ったのです。

そんな事を繰り返しながら長い月日と年月はあっという間に過ぎていきました。


気がつけば幼い少女だったハヤトは14歳になっていました。
けれどそんな頃になってもリボーンと名づけられたウサギは彼女の傍を離れてませんでした。

相変わらず一人と一羽は森のはずれにある家で暮らしています。
何も変わらない毎日です。
畑を耕し、水を汲み、日が沈めば家に帰り食事を取る。
穏やかな一日をハヤトとリボーンは助け合いながら何回も繰り返していました。

今日も変わらぬ一日を過ごすだろう。
そんな事を考えながら目を覚ました朝、ハヤトの家に一人の女性が尋ねてきました。


女性はハヤトの姉を名乗りました。
そしてハヤトの母親が生きていること、父が死んでから一人で暮らしているハヤトをずっと探していて引き取りたいと言ってきたのです。


「リボーンさん!ハヤトにお母さんとお姉ちゃんがいたんですよ!」


ずっと天涯孤独だと信じていたハヤトは嬉しそうにリボーンに言いました。
が、リボーンは複雑でした。
だってずっと決めていたことなのです。


ハヤトが一人ぼっちじゃなくなる日まで一緒にいようと。


その日の夜、ハヤトが寝付いたのを確認するとリボーンはこっそりと家を抜け出して森へと続く道を歩いていきました。





森の中でリボーンは月を見上げました。
真っ黒な夜空に浮かぶお月様。
ハヤトに出会う前に見たときはもっと眩しかった気がします。

木陰で見つけた可愛らしい花。
一人でいたときは可愛いと思う気持ちすら湧き上がりませんでした。

そしてリボーンはウサギの姿になると昔住んでいた横穴に入り体を丸めました。
あの時は感じませんでしたが此処はこんなに寒いところだったのでしょうか。



ハヤトと出会ったからこう感じるのでしょうか。



真っ暗な森の奥。
久しぶりにリボーンはきゅーと声を出してみました。
勿論答える者はいません。



その事がとても淋しく感じるのもやっぱりハヤトのせいなのでしょうか。



リボーンがそんな事を考えていると、何処かから聞き覚えのある声が聞こえてきました。


「リボーンさん、リボーンさんどこですかー」


声の主はハヤトでした。
リボーンはこっそりと隠れながら自分を探しにきたハヤトを見つめます。


「リボーンさん、何処ですかー!出て来てくださいー」


何度も頬についた泥をぬぐいながらハヤトは森へと奥に歩いていきます。
昨日までハヤトについた泥をふき取っていたのは隣にいたリボーンの役目でした。
けれど今は出てはいけません。
リボーンは少し離れた場所からハヤトの後を黙って突いていくだけです。


「リボーンさん、何処にいるんですかー」


ハヤトは何回も名前を呼びました。
途中で何回も転びました。
そのたびに痛みをこらえて立ち上がってはリボーンの名前を呼びます。
昨日まで転んだハヤトを助けてたのはリボーンでした。
でもやはりハヤトの前に姿を表すことは出来ません。

だってもうハヤトはひとりぼっちではないのですから。
ハヤトには自分は必要ないのです。

リボーンは何度も出て行きそうになるのをこらえながらハヤトを見守り続けました。


けれどその時です。
草葉の陰から一匹のオオカミがハヤトの前に現れました。
グルグルと喉を鳴らしながら鋭い牙を立ててハヤトを威嚇します。

どうやら森の奥にまで入り込んできたハヤトを怒り襲い掛かろうとしているようです。

突然現れた猛獣にハヤトは怯えてその場にぺたりと座り込んでしまいました。


「ああああぁああぁぁあああ・・・・」


ぶるぶると震えながらハヤトはオオカミと見つめあいます。
いくら14歳になったといってもハヤトは普通の女の子です。
オオカミ相手に戦うすべなどありません。
オオカミも怯える少女に自分の有利なのがわかったのかゆっくりと歩幅を縮めてきます。

そして今にも飛び掛ろうとするほど距離をちじめられた時、ハヤトは目をつぶって大声で叫びました。


「助けてリボーンさん!」


リボーンはその声に無意識にこたえていました。
オオカミとハヤトの間に飛び出すと人間の姿に戻りオオカミに戦いを挑んだのです。
普通のウサギだったらオオカミに立ち向かうことなど出来なかったのでしょう。
けれどリボーンは不思議なウサギです。
オオカミも突然現れ人間になったウサギを見て驚いたのかリボーンの姿を見ると怖気ついて逃げ出してしまいました。


「リボーンさん!・・・やっと・・・あえました」
「・・・」


リボーンの姿を見ると喜びの声をあげるハヤト。
ですがリボーンはハヤトの顔も見ずにその場を立ち去ろうとします。


「まってください!何処に行くんですか!!」


ハヤトは逃がすまいと必死でリボーンの腕を掴みました。


「離せ」

「離しません!」

「いいから家に帰れ」

「リボーンさんと一緒じゃなきゃ帰りません!」


リボーンが何かを言うたびにハヤトは腕に込める力を強くしていきます。
振り払うのは簡単です。
でもリボーンはそれをせずにハヤトが納得するまで説得し続けました。


「俺は元々足の怪我が治るまで世話になる約束だったんだ。だからもう、森に帰る」

「でも、それでもずっと一緒にいてくれたじゃないですか」

「気まぐれだ」

「気まぐれだってなんだって一緒にいてくれました。ずっと傍にいてくれました。だから・・・これからもずっと一緒に暮らせるって・・・」


思ってたのに。ハヤトはそう叫びました。


「俺は一人で生きてきたんだ」

「・・・ハヤトもリボーンさんと暮らすまではそうでした」

「だからまた一人に戻る。それだけだ」

「でも、なら・・・なんでずっとハヤトといてくれたんですか!」



「それは・・・お前が一人だったから」



リボーンの言葉にハヤトは目を見開きました。


「俺はずっとこの広い森で一人だった。ほかに仲間なんかいなかったし、ずっとそうだと思ってた。
 他の動物は俺を怖がって近寄ろうとしなかったし、人間達は俺を化け物扱いするか“商品”扱いだった。
 お前だけだったんだ。俺を怖がりもせず、逃げもせず、名前もつけて傍に置いてくれたのは。

 嬉しかった。助けてもらったより、そのことのほうが嬉しかった。
 だから決めてたんだ。恩返しの意味も込めてお前が一人じゃなくなる日まで傍にいようって。

 でも昨日、お前の姉が来てお前は一人じゃなくなった。
 家族も出来て、お前はもうひとりぼっちじゃないんだ」


そう言いながらリボーンは掴まれているのとは逆の手でハヤトの頭を撫でました。


「安心しろ。お前が俺がいなくても一人じゃない」


リボーンはそう言うとぽんと音を立ててウサギの姿に戻りました。
人間からウサギの体になったのでハヤトに掴まれた腕もするりと抜け落ちます。

そしてぴょんぴょんと跳ねながら草むらに走っていきました。


「さよならだ。ハヤト」


小さく呟くと最後に一度振り向きます。
けど振り向いて見たハヤトの顔は悲しそうでした。辛そうでした。

そしてぽろぽろと涙を流していました。
こんなに辛そうな顔をしながら涙を流すハヤトを見るのはリボーン初めてです。

ハヤトは転んだ時だって泣きませんでした。
辛い事があったってぐっと堪えて耐えてきたのです。

そのハヤトが涙を流している。
リボーンは驚いてハヤトに駆け寄りました。


「なぜ、泣く。お前は一人じゃないんだ。悲しむ必要なんかないだろ」

「ひっく・・・なら・・・リボーン・・・さんはどうなんですか」

「俺は・・・」

「ハヤトはリボーンさんと離れるのは嫌です。悲しいです。ずっと一緒にいたいです!」

「けど・・・もう俺は必要じゃないだろ」

「なんで、そう思うんですか!」


ハヤトは涙を拭きながら叫びました。


「ハヤトは一人でも一人じゃなくてもリボーンさんと一緒がいいです。
 お母さんがいてもお姉ちゃんがいてもリボーンさんと一緒にあの家で暮らしたいんです!
 それにハヤトがひとりぼっちじゃなくたって、リボーンさんはひとりぼっちじゃないですか。
 そんなの嫌です。絶対嫌なんです・・・えーーーーーん!!!」


溢れる涙を何度もぬぐいながらハヤトは泣き叫びました。
リボーンも動けずハヤトの言葉を聞き続けました。


「リボーンさんはハヤトが嫌いですか?」

「嫌いじゃない。けど、お前の幸せを考えれば・・・俺はいない方がいいだろう」

「そんな事ないです。ハヤトの幸せはあのお家でリボーンさんと一緒に暮らすことです。
 リボーンさんと楽しいことも辛いことも分け合いながら毎日を過ごす・・・それがハヤトの幸せなんです」

「ハヤト・・・」

「ハヤトの幸せを願ってくれるなら傍にいてください。
 そしてリボーンさんの幸せをハヤトにも願わせてください。ハヤトはリボーンさんをひとりぼっちにしたくないんです」


そういうとハヤトはリボーンを抱きしめました。
真っ黒な体をその温かな腕の中に包み込みました。
リボーンはもう何も言いません。ただ一言だけ、


「そうか」


と小さく呟いてハヤトの腕の中で眠りにつくのでした。
そしてハヤトは眠りにつくウサギを抱きしめると帰路へとつきます。

ハヤトとリボーンへの家への道を歩き始めます。






大きな森の中で一人ぼっちだったウサギ。
森のはずれの家にたった一人で暮らす小さな女の子。

不思議なウサギと女の子はこうしてひとりぼっちじゃなくなりました。

そして再び同じ家で暮らすようになった一人と一羽はハヤトの家族と連絡をとりあいながら平和に暮らし、数年後には結婚。
いつしか子供も生まれ、幸せに暮らしたそうです。

ずっとずっと・・・幸せに暮らしたそうです。


めでたし、めでたし。


熊侍様に捧げます。いやむしろ捧げるといっときながら押し付け?
いつもに比べると逞しい・・・と思われるハヤトといつもと逆の空回りリボ(ウサギ)。
童話風にしようとして色々失敗。しかも予告どおり重要キャラのあの人も出てないしね。ネタはたっぷりあったのに色々削りすぎです、ヒビキさん。熊さんいは申し訳ないですが零れたネタは番外編で!

ではいつも愛らしいハヤトを有難うございますvお礼はこんなのですがお受け取りくださいませ!


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花ミドリ恋ワズライ のヒビキ様より頂きましたって言うかきゅーきゅーきゅーきゅーきゅーきゅーーー!!!
も、もももも萌えー! 萌えまくりでございますわヒビキ様! リボうさぎ萌えー!!!
じたばたじたばたするリボ様に胸きゅん☆ リボうさぎのお耳は黒のシルクハットの上からぴょこんと生えているのだと信じて疑っていません。いや人間のリボ様の格好がスーツに限るんですけどっ(童話でスーツ!?)

今回漏れてしまったネタを詰め込んだ番外編も楽しみにしてますね!
風邪とか肩車とかお耳とかパパとか!!(ぱ…?)
二人の未来の子供も超重要人物キャラであるあの人の出番も心待ちにしております! はぅー!!

ありがとうございましたv こちらこそ毎回萌えーなうさたんをありがとうございますv