獄寺くんとリボーンは付き合っている。
といっても、別にオレ達付き合っているんです。と正面切って言われたわけではない。
ただ、二人の雰囲気がそうだと言わせている。
オレがそのことに気付いたのはいつ頃だっただろう。
気付けば、二人はいつも一緒にいた。
獄寺くんは幸せそうだったし、リボーンもまんざらではなさそうだったから上手くいっていると思ってた。
いや、実際上手くいっているのだろう。
獄寺くんの幸せオーラを見ていれば分かる。
ただ…
「おい、獄寺」
「はい、なんでしょうリボーンさん」
「喉が渇いた。何か飲み物買ってこい」
「分かりました!!」
「………」
「おい、獄寺」
「はい、なんでしょうリボーンさん」
「今度は腹が減った。何か食いもん買ってこい」
「お任せ下さい!!」
「……………」
「おい、獄寺」
「はい、なんでしょうリボーンさん」
「肩が凝った。揉め」
「喜んで!!」
「…………………あのさぁ」
「ん? なんだ、ツナ」
「どうしました? 10代目」
「ずっと前から思ってたんだけど…リボーン、獄寺くんがリボーンに惚れ込んでいるのをいいことにいいように使ってない?」
「それがどうした」
「認めちゃったよ!! 少しは言い訳する素振りでも見せろよ!!」
「事実だからな」
「…っ! 獄寺くん!! いいのリボーンがこんな奴で!! 不満はないの!?」
「はい! オレは幸せです10代目!!」
「駄目だ…獄寺くん、完全に酔ってる…!!!」
オレは項垂れた。
「獄寺くん目を覚まして!!」
オレは獄寺の肩に手を置き揺さぶり叫ぶ。
「じゅ、10代目?」
「このままだと獄寺くん不幸になるよ! ていうか不幸だよ! 騙されてるよ!! そのうち捨てられちゃうよ!!」
「………そうなんですか? リボーンさん」
「………」
「………」
「………」
「…そんなことはねーぞ」
「そうですよね!!」
「今の間はなに!?」
オレと獄寺くんは同時に叫んだ。
「チ、うるせーな…」
リボーンが面倒くさそうに頭を掻く。
「獄寺」
「はい」
「お前はオレに使われて幸せか?」
「はい!」
「お前は今の待遇に満足か?」
「はい!」
「お前はオレを愛しているか?」
「はい!!」
「そういうことだ」
「………ぐぬぬ…」
勝ち誇った顔のリボーンと頬を赤らめ幸せそうな獄寺くん。
何か言ってやりたいけど、獄寺くんの目を覚まさせたいけど、オレに出来ることがない…!!
と、
キーン!
どこからともなく何かが高速球で飛んできた。
リボーンが目にもの止まらぬ速さで銃を抜きそれを撃ち抜く。
撃たれ、落ちたのは…野球ボール。
飛んできた方向は…並森中学校。
ああー…野球部か。山本かなー…
とか思っていたらリボーンが歩き出した。
「リボーンさん、どちらへ?」
「ああ。ちょっと野球部を潰してくる」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。そういえばリボーンの声色はどこかドスが入っていてどうやら怒っているようだ。
「獄寺に当たるところだった」
「は?」
それだけ言い残すと、リボーンはすたすたと並中へと向かっていった。
………。
なんだ。
リボーンはリボーンで、ちゃんと獄寺くんのこと思ってるんだ。
少し安心した。
「リボーンさん…一体どうしちゃったんでしょうね?」
って、分かってないのかよ!!
ああ見えてリボーンはリボーンで苦労してるんだろうな。と思った春だった。
リボーンは10分ぐらいで戻ってきた。頬に血を付けて。
そして何事もなかったかのように獄寺くんの肩に乗りそのまま去った。
気になって並中に寄ってみると、死屍累々たる散々な状況だった。山本もいた。
オレは無言で帰った。
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「このオレがわざわざ使ってやってるんだ。どうだ。嬉しいだろう?」
「はい! 嬉しいです!!」
「………」
リクエスト「何様俺様リボーン様なリボ獄が見たひw」
リクエストありがとうございました。