リボーンさん。
オレの話を聞いて下さい。
- 俺の為に死んで下さい -
先の任務、またご活躍されたそうで。
ええ、みんなあなたの話で持ち切りですよ。
中でも…え? そんな話はしなくていい?
そんな話をしに来たんじゃないだろう、って?
………ええ、そうですね。
任務中、怪我などしませんでしたか?
具合が悪くなったりとか。
え…子供扱いするなっていやリボーンさんそのお姿でその台詞は…いえなんでもないです。
…問題ない? 気にするな?
そうですか……
いえ、なんでも。
………。
リボーンさんって、
リボーンさんって意地っ張りですよね。
それに格好付けたがり。
何睨んでいるんですか。本当のことじゃないですか。
何が言いたい? 何が言いたいですって?
いいえ、別に。
問題なくって、気にしてはならないのでしょう?
なら、オレから言うことは別に何も。
ただ、あなたが本当は問題あるのに問題ないと言っているのだとしたら…オレは怒っても許されるのではないかと。
何を知っている? 何言ってるんですか。何も知りませんよ。
全てを隠されたオレが、一体何を知れるって言うんです?
勘ですよ、勘。
オレの勘によれば、あなたは……
あなたの身体は、絶えず痛みを訴えている。
そしてあなたは、それを無視し続けている。
無言は肯定と受け取ってよろしいですか?
続けろ? ええ、続けます。
痛みは日に日に増しており、痛みを抑える術はどこにもなく。
…そろそろ、限界が近いんじゃないですか?
馬鹿にするな? このぐらい平気だ? へえ、そうですか。
痛みのせいで怪我を負っても気付かないくせに。
あなたが血を流しながら、なのにまるで気付いておらず平然と歩いているのを見たときは我が目を疑いましたよ。
そんなんじゃ、知らぬ間に致命傷を負って死んでしまいますよ。
…だから? 何が言いたい? お前は一体何を言いにきた? ですか?
……………。
リボーンさん。
オレの為に…死んでは下さいませんか?
ええ、そう仰られるのは当然ですね。
そうですね。あなたは平気でしょうとも。どれだけ辛くとも、あなたは最後まで耐えうるでしょうとも。
―――オレが、耐えられないんです。
苦しみを耐えるあなたを見るのが。
…苦しんでないだろ、ですって? そうですね、一見あなたは平気そうです。
でも、お辛いのでしょう?
苦しいのでしょう?
隠しているだけで、本当は。内面は。
治らないのでしょう?
その痛みは、もう消えないのでしょう?
オレはその事実に耐えられません。
だから…
オレの我が侭を聞いて下さい。
オレは苦しむあなたを、もうこれ以上見たくないんです。
だから。
オレの為に、死んで下さい。
…泣くな? 何言ってるんですか。泣いてなんかいませんよ。
そもそも、ここはそんなオレを気遣うシーンじゃありませんよ。
ここは、何て奴だとオレを嫌うところでしょう。
ここは、人でなしとオレを罵るところでしょう。
最愛のあなたの死を願う、オレが謗られるところでしょう。
…泣いてません。
泣いてませんってば。
…分かった?
何が、分かったんですか?
何を謝ってるんですか。
オレは、オレは……
……………。
いえ…オレは傍にいますよ。
いさせて下さい。
最後の、最後まで。
後追い? しませんよ。
…したい、ですけど。
10代目を置いてもいけませんしね。
ええ、まったく。
…はい。
では、リボーンさん。
―――――さようなら。
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もしも次があるのなら。
次は手遅れになる前に、手を伸ばして助けを求めて下さいね。