あいつが死んだ。


抗争の最中、敵の凶弾に倒れたらしい。


つまらない死に方をしたもんだ。


それでもオレの教え子か。





………。





何故だろう。


人の死なんて、教え子の死なんてこれまでも数え切れぬほど体験してきたというのに。


何故だか、胸の奥に、ぽっかりと穴が開いたような気がした。





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芽生えた思いを、奥へ奥へ。

誰も、自分すら気付かぬほど、奥へ奥へ。


彼の望んだとおり、その思いは誰も、自分すら気付かぬまま終わる 。