「獄寺…」
「…リボーンさ……ん…」
リボーンと獄寺の距離が縮まり、その距離が零になる。
リボーンが獄寺を抱き締め、その口に口付けをしたからだ。
獄寺の身体が強張り、しかし徐々に徐々に弛緩していく。
二つの影が微かに離れ、そうかと思ったらまたくっつく。
「…ん…ん……りぼ……ん…」
そうこうしていたらあっという間に5分が経ち、獄寺の姿が成長したものに変わる。
「…何をなさってるんですか、リボーンさん」
「キスだが?」
「それは存じておりますが…10代の、突然現れたオレに、何いきなりキスしてるんですか…それも5分間、説明もなしに…ずっと……」
言ってて当時を思い出したのか、獄寺の顔が赤くなる。
「あの程度で感じたのか?」
「そ・う・い・う・は・な・し・は・し・て・い・ま・せ・ん」
「否定はしないんだな」
「リボーンさん!!」
「悪い悪い」
笑いながらリボーンは謝罪する。といっても本当に悪いと思ってはないだろうが。
リボーンと獄寺は恋人同士だ。今年でもう10年の付き合いになる。
と言っても、実はキスすらしだしたのはつい最近なのだが…
「あまりにお前が可愛すぎてな」
「嬉しくありません」
「なんだ、妬いてるのか?」
「ち・が・い・ま・す」
怒りながら獄寺はリボーンを睨みつける。
リボーンは笑いながら、獄寺に歩み寄り―――
「………ん、」
キスをする。
「ん…りぼーんさ……ん、ん―――」
先程よりも深く、長く―――甘く、痺れるような口付けをし、リボーンはようやく獄寺を放す。
「は―――」
座り込みそうになる獄寺を、リボーンが引き寄せ、抱き締める。
「……これで満足か?」
「……………」
過去の自分に腹が立っていたことも、キスしてほしかったことも全部当てられ、獄寺は憮然とする。
ニヤニヤと笑うリボーンをどうにか見返してやりたくて。
今度は獄寺からキスを返すのだった。
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一方10年前の獄寺くんリボーンさんの前で放心中。リボーンさんは心配中。