突然だが、獄寺が幼児化した。
「リボーンさんー」
とことことオレに歩み寄り、ぎゅーと抱きしめてくる。
「えへへー」
ふむ。無邪気な笑顔だ。
まぁ、それは別にいいんだが何がどうなってこうなったんだ?
オレは考えうる限りの可能性を上げてみた。
・頭を強く打った
・ビアンキのポイズンクッキングを食ったショックで
・壊れた10年バズーカを食らった
・骸の幻覚
・実は夢オチ
あとは……と考えを巡らせていると、
「リボーンさんー」
と、獄寺が頬をすり寄せてきた。
ふむ。すべすべだ。じゃなくて。
「リボーンさん、だいすきです」
そうだったのか。
「リボーンさんはオレのこと好きですか?」
「………」
さて、なんと答えるべきか。
「………? リボーンさん…?」
「ああ、いや…オレも好きだぞ、獄寺」
不安気な表情を見せる獄寺にそう言ってやると、獄寺は顔をぱっと明るくした。
「本当ですか!?」
「ああ」
「嬉しいです!!」
獄寺が更にオレに頬をすり寄せてくる。痛い。首がもげそうだ。
「じゃあ、大きくなったらオレをお嫁さんにしてください!!」
「お前は女か」
「え?」
「え?」
暫し沈黙。しかし、やがて獄寺が目に涙を浮かばせた。
「………ダメですか…?」
泣くほどオレと結婚したいのか…
オレは感銘を受けた。
「…分かった。獄寺。オレと結婚しよう」
「本当ですか!?」
「ああ。男に二言はない」
「リボーンさん…」
獄寺が満面の笑みをオレに向けた。
「嬉しいです…ありがとうございます!!」
獄寺が力いっぱいオレを抱きしめた。苦しい。死ぬ。結婚する前に死ぬ。
「獄寺…ギブ……」
「リボーンさん…オレ、精一杯リボーンさんに尽くしますから…!!」
オレを抱きしめる力が強くなる。駄目だ。獄寺はオレの話を聞いちゃいねぇ。
「ただいまー………!?」
と、ツナが帰ってきた。オレと獄寺を見て固まっている。
「あ、10代目!!」
「よぉ、ツナ」
「あ…うん、え? ていうか………え?」
ツナは状況に着いていけてないようだった。
「………何事?」
ようやくそれだけ言う。すると獄寺が満面の笑みで、
「オレ、リボーンさんと結婚するんです!!」
と言い放った。
「は!?」
ツナが更にショックを受けた。
「まぁ…そういうことだ。よろしくな」
オレも苦し気に声を出す。呼吸が出来ない。
「…………………」
ツナは黙ってオレたちを見て、黙って扉を閉めた。
「…10代目…どうしたんでしょうか…」
「さぁな…」
視界が白くなっていく。意識が遠のく。
「…? リボーンさん? リボーンさん―――」
獄寺の声が………遠い―――――
「リボーンさん、リボーンさん!!」
は!?
目を開けると、獄寺が心配そうな顔でオレを見ていた。
「獄寺…」
「ああよかった! リボーンさん気付かれたんですね!!」
「オレは…」
意識を失う前、何をしていたのだろうか。まったく思い出せない。
「リボーンさん、気を失って倒れていらしたんですよ。大丈夫ですか?」
「ああ…」
首が痛い。何かに締め付けられたあとみたいだ。
「…じゃあ、オレはもう帰りますね。リボーンさん、お大事に」
「ああ、じゃあな。獄寺」
獄寺が出ていった。入れ違いにツナが入ってくる。何故か暗く、思いつめた顔だ。
「リボーン……」
「ん?」
「オレ…最初聞いたときは驚いて、気が動転しちゃったけど……でも二人の幸せのためなら応援するからね!! 式には呼んでね!!」
「え?」
「え?」
おわる。
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リクエストメッセージ「〇〇です、今まですみませんでしたorz」
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