それはある日の昼下がり。
それはいつも通りの麗らかな午後。
オレは獄寺くんとおやつタイム中。
ああなんて平和な時間。
「獄寺くんにとってさあ」
「はい」
「オレってどんな存在なの?」
「そうですねえ…オレの所有者って感じですかねえ」
「何? 獄寺くんってオレの物なの?」
「やはり命を救われた身としては、命を拾ってもらった方に身を捧げるべきではないかと」
「…オレとしては獄寺くんともっと対等でいたいんだけどなあ…」
「いえいえそんな、滅相も」
「じゃあ獄寺くんにとってリボーンはどんな存在なの?」
「そうですねえ…オレはリボーンさんのでもありますからねえ…」
「獄寺くんどれだけ自分を物扱いしたいの」
「そう言われましても」
「じゃあオレとリボーンが獄寺くん取り合ったらどうするのさ」
「ドラマみたいですね。女が私の為にってどうのこうのって泣く奴」
「あながち間違いでもない辺りが本当ね」
「え?」
「ともあれ、もし仮にそうなったらどうするよ」
「あー…10代目とリボーンさんがオレのせいで争うとか勘弁願いたいですねー…ええと、じゃあ………ああ、分かりました。こうしましょう」
「え?」
「まず、オレは10代目の物です」
「ああ、そこ変わらないんだ」
「ええ、まあ、ここは流石に」
「いや、変えていいんだけど…まあいいや。それで?」
「で、リボーンさんはオレの物です」
「え!? そこ!? そうなるの!?」
「何か問題でも?」
「問題しかないと思うけど!? 勝手にそんなこと言ってリボーンに怒られない!?」
「何言ってるんですか10代目リボーンさんがオレを怒るなんてあるわけがないじゃないですか10代目頭大丈夫ですか10代目ふざけないで下さい10代目しっかりして下さい10代目怒りますよ10代目」
「何故だろう。どことなく対等へと近付けた気がするのに意外に心が抉れたよ獄寺くん」
「全くもうどうしょうもないですね10代目本当もう駄目ですね10代目これだからダメツナは。殺しますよ10代目」
「獄寺くん本当にオレの物のつもりがあるの!?」
「うるさいですよ10代目」
「オレダメツナだからよく分からないけど、もしかして今オレ慇懃無礼な態度取られているのかな」
「よく分かりましたね10代目」
「オレは泣くよ獄寺くん!!」
「10代目よりもオレですよ10代目。オレに何かあったらオレの物であるリボーンさんがただじゃ置きませんからね」
「リボーン頼もしすぎるね!!」
ひとしきり突っ込み、会話が途切れる。
オレはお茶を飲み、獄寺くんは茶請けに手を伸ばす。
ああ、今日はとても平和な一日。
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「って獄寺くん言ってたんだけど。リボーン大丈夫?」
「むしろオレは獄寺に今までそう思われてなかった事に驚いている」
「!?」