「おい、獄寺」
「はい、何でしょうリボーンさん」
オレの子猫ちゃん二匹が会話してる。
ああ、違う。いかんいかん。獄寺くんは子猫ちゃんでよくてもリボーンは天使だった。でも子猫ちゃんもいいよね。新ジャンル子猫天使とか流行りそうじゃね?
ああ…もう二人とも可愛い。可愛すぎる。オレも混ざりたい、真ん中に入りたい……
「…変な寒気を感じるな……」
「風邪ですか?」
「いや…まあいい。それより獄寺、これからオレとテニスをしないか?」
「テニス……」
何故だか緊張した表情を見せる獄寺くん。
「わ…分かりました。オレも男です。やりましょう」
「頼もしいな」
何故テニスをするだけで男気が見えるのだろう。
オレにはよく分からないが、二人の間では通じているらしい。
「では道具を揃える所から始めましょう。とりあえずラケット1ダースとボール5ダースほど必要でしょうか」
「それから治療具もいるな。もしかしたら棺桶の方が必要かも知れんが」
「だからキミたちは一体何の話をしているの」
「あ、10代目。何って、日本式テニスの話ですよ」
「だからテニスは全国共通だって」
「じゃあイタリア以外のテニスの話だ」
「だから全国共通だっての」
「お前はテニスを馬鹿にしているのか?」
「してねぇよ!!」
「リボーンさん、オレ一人ダブルスしてみたいです」
「獄寺くん、それ日本語おかしくない?」
「やってる奴がいたんだよ。相方を先頭不能にされて何か分身の術使ってた奴が」
「それ相手が反則負けとかになるんじゃね?」
「相手はオレたちと同い年ぐらいです。…負けられませんね!!」
「負けてもいいと思うんだけど」
「よし、河原に行くぞ獄寺」
「はい!」
「あ、待ってオレも行く―――」
そんなわけで河原。
辺りには無数のボールとラケット。
その内の一本をリボーンが手にする。
「って、ちょっと待った」
「ん? どうした、ツナ」
「どうしたも何も、何そのラケット」
「至って普通のラケットだが」
「オレの目には糸が2本しか見えないんだけど」
「こういうのを使ってる奴がいたんだよ」
「それルール違反とかじゃないの?」
「ルールブックには糸が2本のラケットを使ってはいけないとは書いてはなかったな」
「書いてあってたまるか!!」
「まあ待て。オレもビデオを見て少しやってみたくなったんだ。これを、こうするとだな…」
言いながら、リボーンはボールを投げ、ラケットを振るう。
ボールが4分割された。
「何が起こったの!? 今!!」
「は…見えた!!」
獄寺くんが3人ぐらいになった。
「リボーンさん、出来ました!」
「やるじゃねぇか。獄寺」
「獄寺くん思い出して! 自分は人間だってこと!!」
それからも二人は夕方頃までテニスを楽しんでいました。
うん、まあ、あれは絶対テニスじゃないけどね。
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「10代目はやっぱり無我の境地に至ってもらわないと駄目ですよね」
「その通りだな」
「やめて! オレを巻き込まないで!!」