マフィア戦隊ボンゴレンジャー!!
説明しよう! マフィア戦隊ボンゴレンジャーとは、並盛の平和を守る為に結成された正義の組織だ!!
まずは構成員を紹介しよう!!
ボンゴレレッド! 次に紹介するボンゴレブルーが大好きで大好きで仕方がないヘタレ主人公だ!
出来る限りボンゴレブルーの傍にいようとしているがそれは他のメンバーも同じなので結果的にボンゴレブルーの周りにはみんなが集うことに!
しかし同じ学校のクラスメイトという立場を最大限に利用し今のところ彼と一番の友好関係を築いている!
ぶっちゃけ並盛の平和とかはどうでもよく、ボンゴレブルーの傍にいたいだけだったりする!!
ボンゴレブルー! ボンゴレンジャーの正ヒロインだ! なので正式には彼はボンゴレブルー兼ボンゴレピンクである!!
何故か彼の周りには色んなものが集う! それは味方だったり敵だったりトラブルだったりと本当様々だ!!
常に誰かが傍にいるが、だからと言って彼が誰かの想いに気付くことはない! 何故なら彼は恋愛事には超にぶちんだからだ!!
ボンゴレンジャーの中で最も並盛の平和の為に貢献しているのもまた彼だがそんな彼の明日はどっちだ!!
ボンゴレグリーン! ボンゴレブルーを兄のようにもそれ以上のようにも慕うやっぱりヘタレ少年!!
そういえば彼はよく考えたら10年後設定の方なのでボンゴレブルーよりも年上のはずなのだがその辺はまぁ大人の事情と言う奴でご勘弁願いたい!
ボンゴレブルーが甘やかせてくれるので美味しい思いもし、そしてそれゆえにボンゴレレッドとか次に紹介するボンゴレブラックとかによくしばかれている!!
それでも彼がボンゴレンジャーを辞めないのはそれほどボンゴレブルーが大好きだからだろう! やっぱり世界平和とかどうでもよかったりする!!
ボンゴレブラック! あるときは群れるのが大っ嫌いな風紀委員! そしてその正体はやっぱり群れるのが大っ嫌いなボンゴレブラック!!
そんな彼がなんでボンゴレンジャーにいるかというとそれはボンゴレブルーが気に入っているかららしい!!
つっても「群れるのは嫌いだよ」と言っては会議に参加せず、「僕に指図する気?」と言っては戦闘にも現れないとやる気は全くない!!
ただ並盛の平和を脅かす存在は認めているが、やっぱりボンゴレブルーをどう自分に惹かせるかという計算でしか考えてない辺り終わっている!!
司令官! マフィア戦隊ボンゴレンジャーを結成した張本人! 次に紹介する敵のヴァリアーと何かしら因縁があるらしい! ちなみに2○年後設定!!
並盛の平和はボンゴレンジャーに任せ、本人はあまり世に出てこない! 一体なにをしているのか!!
ボンゴレンジャーの司令官をする前の職業、国籍、年齢、家族構成など一切不明! これ重要な伏線! 回収出来るか!?
完璧超人だが自分の恋愛事に関してはボンゴレブルーと同様超にぶちん! ちなみにボンゴレブルーと司令官はくっつく予定である!!
ヴァリアー! 原作を無視し何故かボンゴレレッドではなく司令官を怨んでいるリーダーを筆頭にやっぱりボンゴレブルーが大好きな面々でお送りする並盛の平和を乱すちょっと困ったちゃんの集まりだ!
やることは戦隊物の基本に乗っ取りそれをやることでなにがどうなるのか良く分からない事をしているが律儀な事にボンゴレンジャーはやってくる!
お約束の巨大ロボはゴーラ・モスカ! ただしボンゴレブラックの一撃で塵に還る! ていうか弱い!!
黒曜中! ボンゴレンジャーともヴァリアーとも属さない第三勢力! だけどやっぱりボンゴレブルーが好き!(ムー○ーマン風に)
その日の気分によってボンゴレンジャーの味方をしたりヴァリアーの邪魔をしたりする! 結局はヴァリアーの邪魔をしている!!
普段は一般人の振りをしているのでみんなに一般人に扱われている! こんな一般人いるか! と言う突っ込みはなしでお願いしたい!!
今回出番無し!!
―――そんな面々でお送りするボンゴレンジャー、ご理解頂けただろうか!
ようはボンゴレブルー争奪戦というわけだ! ただこれはリボ獄前提な訳だが!(あ、名前出しちゃった)
なおこの解説はDr.シャマルが叫んでいる風なイメージで呼んで頂きたい! シャマルの出番はないが!!
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続きは下から!!
「ねぇ獄寺くん。あそこの出店に寄ってみようか」
「なに言ってるんですか10代目! 今はパトロール中ですよ!」
そう言いながら歩いているのはボンゴレレッドとボンゴレブルー。
ただいま二人は並盛の平和を守る為正義のパトロール中だ。
と言ってもそのつもりがあるのはボンゴレブルーこと獄寺隼人氏だけで、ボンゴレレッドはボンゴレブルーとのパトロールデートに現を抜かしていた。
「まぁまぁ。そう硬いこと言わないで獄寺くん。それに出店があるってことは子供もいるってことだよ? 子供がいる所にこそ悪の手は伸びるんだから」
「な…なるほど! 流石は10代目!!」
感銘を受けた風にボンゴレレッドの意見に感激するボンゴレブルー。いつでも彼の頭は春だった。
けれどそうして向かった先には、出店の屋台を壊しているヴァリアーの構成員のベルフェゴールとマーモンがいた。
「…10代目! いきなり並盛のピンチです!!」
「いや…ピンチっていうか…なんであの人たちはまた自分達の為にならない、けれど微妙に辺りの迷惑になる行為をするかな…」
ボンゴレレッドはボンゴレブルーとの甘い一時を楽しみたかったが為に出店に誘ったのに、いきなりぶち壊されてちょっときれてた。
…ていうか…一瞬ボンゴレブラックが屋台壊しているかと思った…いや、なんかそんなデジャブが。
辺りには屋台を壊され泣き叫ぶ子供達。このままこの出来事を子供達のトラウマにしてはいけない!!
「うあああーん、風船がー!!」
ていうか、一番泣いているのはボンゴレグリーンだった。
15歳にもなるのに幼い子供に混じってわんわん泣いている。
「こらランボ! 正義のヒーローが泣くな!!」
ボンゴレブルーがボンゴレグリーンに渇を飛ばす。どうでも良いが彼は正義のヒーローとか叫んで恥ずかしくないのだろうか。
「…え? あ、獄寺氏ですか! 獄寺氏ー!!」
ボンゴレグリーンはボンゴレブルーを見ると泣き止み走り出してくる。
ボンゴレグリーンはぎゅっとボンゴレブルーに抱き着き甘えてきた。
「獄寺氏、会いたかったです!!」
「ランボ。お前誰に断ってオレの獄寺くんに甘えてんだ」
ボンゴレレッドはすぐさま獄寺からボンゴレグリーンを引き剥がし脅していた。
「う、うああああああんー! ツナが怖いー!!」
「こらランボ獄寺くんに逃げようとするな!!」
ボンゴレレッドとボンゴレグリーンがボンゴレブルーの隣を巡ってああだこうだ言ってる間にボンゴレブルーは、
「彼女可愛いーじゃん。オレたちの組織に入んない? 待遇良くするよー?」
「馴れ馴れしくさわんじゃねぇ! つか誰が彼女だゴラァ!!」
ベルフェゴールにナンパされていた。
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うしし。オレと付き合おうぜねーちゃんー
「だからさわんじゃねぇ! 鬱陶しい!」
「まぁそう連れないこと言わないでさー、オレと良いことしよーよー」
変わらずボンゴレブルーにナンパをしているベルフェゴール。
しかしボンゴレブルーはあまりベルフェゴールのことは好きじゃないみたいです。
「…ベル。そんなに強引だと釣れるものも釣れないよ。だから最終的には拉致監禁になるんだよ」
傍から見るとまるで赤ん坊なマーモンがなんか凄いことを今言いました。
…最終的には拉致監禁?
屋台壊しとは比べ物にならないほどの悪行でした。
「て、てめぇ・・・!」
ボンゴレブルーの目が怒りに震えます。しかしその目がマーモンに移される・と。
「……………」
ちょっとボンゴレブルーは心ときめき動かされました。実はボンゴレブルーは可愛いものや小さなものが大好きだったのです。
(やばい…可愛い…かも)
ボンゴレブルーレーダーはきゅんきゅん回っていました。あと抱き締めたい数値も上がってました。
ボンゴレブルーがそんな魅惑に囚われかけた、そのとき!
ちゅどーんっ!!
いきなり爆発音が響き渡りました。これには流石のボンゴレブルーも正気に返ります。
「こ…この爆発音は…!? ていうか獄寺くんが敵にナンパされてる!」
「えぇ!? ご、獄寺氏! 僕を置いて嫁いで行かないでください!!」
ボンゴレブルーのついでにボンゴレレッドとボンゴレグリーンも正気に返りました。
ていうか、この二人はそれまでずっと仲間割れしていたのでしょうか。それはそれで問題です。
「獄寺くんそいつから離れて! 孕まされるよ!!」
「10代目! オレ男だから大丈夫です!!」
「いいから離れて!!」
ボンゴレレッドは少し錯乱していました。
しかし先程の爆発は一体誰が?
ボンゴレブルーがそう思ったときでした。
一瞬の隙を突きベルフェゴールがボンゴレブルーの肩を抱いてきたのです。
「…ああ、やっぱり綺麗だな。あんた…」
「な…、この、離れろ・・・!」
ボンゴレブルーが暴れますが、ベルフェゴールには通用しません。
あわやボンゴレブルーはこのまま拉致監禁されてアブノーマルワイヤープレイでも強要されてしまうのか、そう誰かが思ったときでした。
カキーン!
遠くから何かが飛んできてベルフェゴールの顔面をストライクします。飛んできたそれは…トンファーでした。
「…キミたち。何群れてるの?」
トンファーを投げつけたのはボンゴレブラックでした。いつの間にかベルフェゴールからボンゴレブルーを略奪しています。
「雲雀…」
「キミも。なんでそういつもいつも無防備なのさ。僕だけにならともかく他の奴にもそんな姿晒さないでよ」
「な、オレがいつ無防備な姿なんて晒したんだよ!!」
「さっきキミが僕の名前を呼んだ時とかすごく無防備だったよ? ああ、自覚症状がないってのも罪だね」
ボンゴレブラックが呆れたように溜め息を吐きます。しかしそんなことを言われてもそこがボンゴレブルーの魅力なのでした。
「ていうか雲雀さん一体いつまで獄寺くんの肩抱いてるんですか!?」
「そ、そうですそうです! 僕だって獄寺氏に抱きつきたいです!!」
「はぁ? 彼ひとり守れてないで一体どの口がものを言ってるのか。それに彼は僕の物だよ。だから僕の自由にして良いの」
ボンゴレンジャー、今日もやっぱりチームワークの欠片もないです。
一方その頃、ベルフェゴールとマーモンは、
「…ねぇ。今のうちに不意を打って倒せないかな?」
「お前馬鹿言うなって。あのブラックマジつえーんだって。オレパス一」
と言う会話をしながら早々と立ち去っていました。
流石は我らがボンゴレンジャー。自分達も知らないうちにヴァリアーを追い払っていました。
しかし。
「あーもー! だから獄寺くんとの下校権は同級生であるオレですね・・・!」
「何言ってるの? 登校時は譲ってあげてるんだから下校は僕が頂くよ」
「ううう…僕も獄寺氏と一緒に帰りた…が、ま…」
「あの、今一体何の話をしてるんですか?」
当事者であるボンゴレンジャーはそのことに全く気付いていなかった。
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あいつらいつの間にかいないし10代目たちは何か話し込んでるし。オレもう帰っていいかな。
ボンゴレブルーは司令室と書かれた部屋の前に立ち止まり、体裁を整えていた。
髪、服、タイ、ボタン…良し大丈夫だ。目付きが悪いのは生まれつきなので勘弁願いたい。
「失礼します」
やや緊張した面持ちでボンゴレブルーは司令のいる部屋へと入った。
「獄寺か」
「はい、今回の任務の報告書をお持ちしました。…リボーンさん」
司令はボンゴレブルーから書類を受け取ると目を通す。それには今回のヴァリアー襲撃の件も書かれてあった。
「…東中央公園にてヴァリアー幹部のベルフェゴールとマーモンが祭りの屋台を破壊しているのを確認。これを撃破…」
正確には撃破というよりも、勝手に帰って行ったが正しいのだが報告書ではそうなった。
ついでに報告書のメモ欄には隊員の意見が書かれてあった。
―――ちょっとリボーン! 獄寺くんがナンパされるは雲雀さんと一緒に帰っちゃうわで大変なんだけど! やっぱりオレとの同室許してよ!!
(…何がどうやっぱりなのかさっぱり分からない上に、同室を許したらもっと大変なことになりそうだ)
司令はボンゴレレッドの意見を無視した。
―――ううう…最近獄寺氏が一緒に帰ってくれない…
(相談する所間違ってるし。ていうかしらねーし)
司令はボンゴレグリーンの意見を無視した。
―――ちょっと。あの子の制服をセーラーにしたいんだけど。
(どうでも良い)
司令はボンゴレブラックの意見を無視した。
ていうか、メモ欄が物凄くどうでもよく、かつボンゴレブルーにとって芳しくない意見しか書かれてなかった。
「…お前も大変だな」
「え? …いえ、これも並盛の平和の為ですから!」
どうやらボンゴレブルーはメモ欄は見ていないようだった。
かなりピントのずれた事を言ってるボンゴレブルーを適当に司令が受け流している・と…
どどどどどどどどど、と慌しい足音が聞こえてきました。
「―――獄寺くん!?」
血相を抱えてやってきたのはボンゴレレッドでした。
ていうか、司令室に来て司令以外を探しに来たのはボンゴレレッドが初めてでした。
「ど、どうしたんですか10代目!? まさか何か事件ですか!?」
「ううん! 獄寺くんが五分経っても戻ってこなかったから心配になって!!」
ボンゴレレッド、基地でも変わらず暴走していました。
「10代目、心配しすぎです。ここは司令室ですよ? 敵が攻めてくるわけないじゃないですか」
「で、でもさ…! 何が起きるか分からないのが人生だよ!? オレ獄寺くんが心配で心配で!」
「大丈夫です! オレ一人でも何とか持ち堪えて見せますし、それにいざと言う時にはリボーンさんもいますから!!」
「それが一番心配なんだよ! もうリボーンと二人っきりになるなんてリボーンルートへの道が見えるよ! フラグなんてくそ喰らえだ!!」
ボンゴレレッドはもう何を言っているのか自分でも分からなくなってきました。末期です。
「フラグ…旗? 旗がどうしたんですか10代目」
「もう何でもいいから! リボーンへの報告は終わったんだよね!? じゃあもう行こう、三択が出る前に!!」
ボンゴレレッド、恋愛シュミレーションゲームのやりすぎでしょうか。発言がオタクです。
「は…? 三択…? よく分かりませんが…分かりました。ではリボーンさん、失礼しました」
「ああ」
司令が短く返答するとボンゴレレッドとボンゴレブルーは退室していきました。残されたのは司令のみ。
司令は静かになった室内で、再び報告書を読み出しました。
…東中央公園にてヴァリアーが襲撃…
(奴らの手もここまで伸びたか…こちらから先手を打つ必要性もあるかもな…)
司令はそんなことを考えながら、そういえば東中央公園って街の東にあるのかそれとも中央にあるのだろうかと少し頭を捻っていた。
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きっと地図から見て中央東寄りに…いや、もしかしたら……
ボンゴレンジャーはいつでも並盛の平和を守れるように基地に待機しています。
もちろん寝るときも基地内です。みんなで同じ施設に泊まります。
「今日こそ獄寺くんと一緒に寝るー!」
そう言いながら基地の廊下を歩いているのはボンゴレレッド。
寝る時間になるとボンゴレレッドはいつもそう言いながらボンゴレブルーと添い遂げようとします。
運良く奇跡的に同室で眠ることが出来たとしてもそれ以上何も出来ないのに。ヘタレだから。
「…ご、獄寺くんー、起きてる?」
しかし先程の意気込みはどこへやら。ボンゴレレッドが極度の緊張のあまりボンゴレブルーの部屋の前で立ち往生してから早30分。
ボンゴレレッドはようやく意を決してそう言って、ドアを開けました。
するとそこには…
「………zzz」
「うーん…獄寺氏…」
なんとなんとボンゴレブルーのお隣には既にボンゴレグリーンが陣取っていました。
しかもボンゴレブルーの腰に手を巻いて擦り寄っています。中々やりおります。
とりあえずボンゴレレッドはボンゴレグリーンをボンゴレブルーから静かに速やかに引き剥がしました。
「うーん…さむ…って、あれ? ツナ?」
「おはようランボ。この野郎」
ボンゴレレッドは笑顔でそう言いました。日本語として何かがおかしいですが気にしません。
「お前…一体誰に断って獄寺くんと一緒に眠ってるんだよ!」
「獄寺氏」
ボンゴレレッド、グリーンの一言に完全敗北でした。
何故敵ではなく味方相手にそんな気持ちを味わなければならないのかはわかりませんがとにかく完全敗北でした。
「ご、獄寺くんに?」
「はい、一緒に寝ていいですか? って聞いたら…」
「ん? 別にいいけど」
「って…」
ボンゴレブルー、いつでも変わらず危機感皆無でした。
「うああああああ! 良いなぁ・・・! 今度オレも言ってみよう、登校中に」
とりあえずボンゴレレッドはそう決意をしました。たぶん言えません。
それはそれとしてボンゴレレッドがボンゴレグリーンを掴んだままベッドの中を見ると、そこには気持ち良さそうにすやすやと眠っているボンゴレブルー。
………じゅるり。
ボンゴレブルーはとてもとても美味しそうでした。
「いただきます」
手を合わせてそう言ったのは一体いつ着たのかボンゴレブラックでした。
「って雲雀さん! いただきますじゃないですよ!!」
「うるさいな。黙ってって言うか出て行ってよ」
「何我が物顔で言ってるんですか! ここは雲雀さんの部屋ではなく獄寺くんの部屋ですよ!!」
ボンゴレレッド。たまには真面目なことも言います。
ただボンゴレブラックがいなければボンゴレレッドが似たような行動を取ったであろうことが目に浮かびますが。
と、そのときでした。
ジリリリリリリリリリリリリリリ!!!
突如ボンゴレ基地内に高音が響き渡りました。
…それは緊急収集のサイレンでした。
「―――何事だ!?」
この音にはボンゴレブルーも目を覚ましました。
ボンゴレレッドの大声には起きませんでしたがサイレンでは起きるようです。
「急いで司令室に行かないと…ってあれ? ランボはともかく…10代目に雲雀? 何でここに?」
目覚める前と比べて倍になった人口密度に首をかしげたボンゴレブルーでした。
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まあいい、とにかく司令室へ!!
「集まったか」
司令室へと集合したボンゴレンジャー。
何故かボンゴレレッドとボンゴレブラックが殺気立っていたりもしましたが、司令は無視しました。
「リボーンさん、緊急収集なんて…一体どうしたんですか!?」
「ああ。ヴァリアーの住処が分かったからな。これから潰しに行くぞ」
司令、戦隊物といえばヒーローは敵からの行動待ちだろうにまさかの先制攻撃宣言でした。
「リボーンさん、奴らのアジトが分かったんですか!? 流石です!!」
「凄いやリボーン! いっつも基地で昼寝しているわけじゃないんだね!!」
「いつも基地で偉そうに指示しているだけじゃないんだね。まぁ当然の働きだけど」
なにやら悪意のあるような声も聞こえましたが気のせいということに司令はしました。
「作戦開始時刻は午前三時半…奴らの寝首を掻くぞ。お前らは個々、敵を陽動しろ」
「え…? 陽動って、じゃあ誰が敵を討つんですか?」
ボンゴレブルーの疑問に司令直々が応える。
「…ザンザスには聞きたいことがあるからな…オレがこの手でやってやる」
「リボーンさん…」
思えば…ボンゴレブルーは司令の事を何も知らない。
街中の角で出会い頭にぶつかったという今時ベタ過ぎて逆に斬新な出会いを縁にボンゴレブルーはボンゴレンジャーに入った。
そして指令の出す命に従う…それがボンゴレブルーの日常だった。
司令は自らをリボーンと名乗る以外は何も語らない。ボンゴレンジャー設立の為の経費の出所。今よりも前の生活…過去。本当に、何もだ。
そんな司令が、敵の大将に聞きたいことがあるという。
一体なんなのだろうと気になりつつも、ボンゴレブルーは何も言えず。ただ胸の奥のきゅぅっとした気持ちに戸惑うばかりだった。
「…って獄寺くん! そんな乙女顔負けの表情しちゃ駄目!」
慌ててボンゴレレッドが二人の間に割って入っていた。
そうして司令が指定した時間。
ボンゴレンジャーはヴァリアーアジトの前に来ていた。
「…で、陽動をやれって言われたけど…具体的にはどうしようか」
「火でも放てば?」
「放火は普通に犯罪だから雲雀さん」
「って、みんな固まっていて良いんですか!? リボーンさんの行動がばれないようにあっちこっちで騒ぎを起こすべきでは!?」
「大丈夫だよ獄寺くん。たぶん獄寺くんがいるところにみんな集まるから」
「???」
「で、どうするのさ。彼がここにいても奴らが気付かないと意味がないよ」
「呼べば良いだろ」
言って、ボンゴレグリーンは玄関近くに備え付けられていたチャイムを鳴らした。
ピン・ポーン♪
軽やかな音が鳴った。
「はーい」
中からベルフェゴールが出てきた。
そうして外が騒がしくなってきたのを見計らいながら、司令はひとり行動に出ていた。
目指すは唯一つ。
…ヴァリアーのボス。ザンザスの場所。
リボーンがそこへと赴くと、ザンザスは既にそこに待っていた。
「…来たか。リボーン」
「ああ…待たせたようだな」
暗い部屋の真ん中に、漆黒の影が二つ立っていた―――
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
久しぶりだな。
「お前を殺せば…ようやくオレが一番になる」
ザンザスは憎しみを吐くように言いながら司令に銃を構える。
「…オレは死ぬ気も、殺す気もないんだがな」
「ほざけ」
司令もまた気付けば銃を構えていた。一触即発の緊張感が辺りを漂う…
そんな状況の最中、司令が口を開いた。
「今なら…」
「あ?」
「今ならまだオレは何もしない。大人しく戻り、オレの邪魔をしないならば…古い付き合いのよしみだ。大目に見よう」
「―――――ふざけるな!!!」
激怒。そして発砲音。
けれど銃弾が貫いたのは…闇。
「…そうか。そういうのならば仕方がないな…」
司令はいつしか、ザンザスの背後に回っていて―――
そして一つの銃声と、赤い血飛沫が飛び散った。
そんなシリアス展開が行われている頃、陽動組は…
「やっぱりー、わざわざ来てくれたってことはオレらの組織に入りたいってことなんだよね!?」
「ふざけんな! お前らを潰しに来たんだよ!!」
「またまたー、照れちゃって」
「誰が照れるか!!」
やっぱりボンゴレブルーはベルフェゴールにナンパされてた。
けれど今ここには屋台の時とは違い他の隊員も揃っている。
「こら! 確かに獄寺くんは痛いの好きだけど流石にワイヤー切断プレイまでは望んでなんかないよ!!」
「10代目! オレ普通に痛いの嫌です!!」
「というか…彼を傷付けて良いのは所有者の僕だけなんだからね。そこのところ忘れないよう」
「いつからオレはお前のものになったよ!?」
「でも獄寺氏、痛いのって慣れてくるとくすぐったくなってきますよね?」
「ここにはSMプレイ愛好家しかいないのか・・・!」
頭を抱えたボンゴレブルーであった。
「まぁまぁ。騙されたと思っていっちょオレに任せて見ねぇ? 飛び切り痛くしてやるからさ」
「お断りだ!!」
と、ひとしきりボンゴレブルーが突っ込んだそのとき。
ドォンという音が響いて、室内から炎が巻き起こった。
みんながその方に目を向ける。もくもくと上がる黒い煙。赤い炎。
そして…正面玄関から出てきた一つの黒い影。
「ヴァリアーの幹部…ベルフェゴールだな? お前で終いだ。あとは全部始末したぞ」
出てきた影の正体は、ボンゴレンジャーを設立した司令官だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さよならだ。ベルフェゴール。
こうしてヴァリアーはボンゴレンジャーの手により壊滅し…並盛に再び平和が訪れた。
まぁヴァリアーのアジトを見つけ出したのも実際手を下し討ったのも司令なのだが相してボンゴレンジャーの手柄だ。
「リボーンさん…お疲れ様でした」
「ああ」
所変わってここはボンゴレアジト内。
並盛を歩けばとりあえず何かしら騒ぎを起こしていたヴァリアーを倒したと言うことで簡単な祝杯が開かれていた。
といってもMVPの司令を労うのはボンゴレブルーのみで他のメンバーは好き勝手やっていたが。
「獄寺くんー、リボーンなんて構ってないで獄寺くんも飲もうよー!」
「10代目、オレたちはまだ未成年です」
「…キミも頭が固いね。もう少しぐらい柔軟性を持ってもいいんじゃない?」
「お前はもう少し常識をつけろや風紀委員長野郎」
「僕はいつでも自分の好きな年齢だよ?」
(言い切った・・・!)
「獄寺氏ー…これおもしろいですよー? 世界が回ってるー…」
「だからそれは酒だー! ていうかのしかかるなー!!」
「………」
「―――あれ…? リボーンさん…?」
いつしか司令の影が消えているのにボンゴレブルーが気付いたのは、宴の終わりに差し掛かってからだった。
ボンゴレブルーは空に浮かんだ満月を窓から見ながら司令室へと歩いていた。
眠る前にあの声が聞きたかった。あの姿を見たかった。そう思っただけだった。
そうして司令室の近くまで歩いていく。…司令室の扉は開いていた。
…どういうことだろう。いつもは閉まっているのに。
獄寺がその扉の奥を覗こうとする…と。
「そこで何をしている」
司令の声が、静かに響いた。
その声から感じ取れたのは…明らかな不快感。
ボンゴレブルーは慌てて謝ろうと司令室に入ろうとする…が、それより前に。
「―――――失礼しました。…リボーンさん」
司令の前に現れたのは、見知らぬ少年。
「バジルか。…何をしに来た」
「何をしに…? お分かりでしょう。親方様の命に従い、貴方を連れ戻しに」
「お前に出来んのか?」
「手段を問わなければ」
バジルの即答。暫しの沈黙。そして。
「…まぁ、強引という手はあまり好きではないので今回は帰ります。…では、良き返事を期待しておりますゆえ…」
そしてバジルは闇へと消えた。
…その目が一瞬、様子を見ていたボンゴレブルーを捉えて。
―――妖艶に、笑った。
ボンゴレブルーの背にひやりとしたものが流れ、ボンゴレブルーは脱兎の如くそこから逃げ出した。
―――月明かりがいつしか消えていた。雲にでも隠れてしまったのだろうか。
漆黒の闇の中、司令はボンゴレブルーが走っていった先を見つめながら…
「…ここは中々に居心地が良かったんだがな…ま、潮時か」
そしてその翌日。
司令はボンゴレ基地から姿を消した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リボーンさん……
「…リボーンの奴、一体どこで何をしているのか…」
「全く。居たら居たで厄介なのに。居ないなら居ないで気味が悪いね」
「酷い言いようですが賛成です…まぁ僕は獄寺氏が居ればそれで良いんですが」
「………」
「…どうしたの獄寺くん。さっきから黙ってるけど…」
「な…なんでもないです…」
ボンゴレンジャーは並盛のパトロールを兼ねての司令探しをしていた。
…突如ボンゴレ基地から姿を消した司令官。
今までこんなことは一度たりともなかった。そもそも、司令がボンゴレ基地内に居ないこと自体が稀なのだ。
「まぁヴァリアーを倒したから別段する事無いんだけどね…もしかしてボンゴレンジャーはこのまま解散とか?」
「そんな!」
「仮にそうだとしても、何の挨拶のないままそうなるのは礼儀がなってないよ。彼らしくない」
「そう…だよな…」
「でも…本当どこ行っちゃったんだろうね…リボーン」
「………」
ボンゴレブルーは落ち込んでいた。
みんなの知らないことを、自分は知っている。
昨日の夜…何かが起こっていた。
バジルという未知なる少年。自分の知らない司令の一面。
そういえばバジルは司令になんて言っていただろうか。
…確か…親方様の命に従いと。そして…司令を連れ戻しにと。
…連れ戻す? どういうことだろうか。
そういえば司令もバジルを知っているようだった。知り合い…にしては司令の態度は…
ぐるぐると考え出したボンゴレブルー。訳が分からないことばかりだ。
…と、ボンゴレブルーが視線を感じふと顔を上げると…
ざわ…っ
怖気が走るのが分かった。
ボンゴレブルーが顔を上げた先には…丁度今考えていた相手。
バジルが…あの笑みを浮かべながら、こちらを見ていた。
「あ…」
一歩、前に出る。それと同時にバジルは人混みに紛れる。
「―――待て!」
「獄寺くん!?」
ボンゴレブルーはバジルを追い走り出す。そのボンゴレブルーを追って他のメンバーも。
バジルを追うのは正直言って怖かった。
あの笑みが忘れなれない。あの…獲物を狙う蛇のような笑みが。
けれど、他に司令を探せる手掛かりがないのもまた確かで。
ボンゴレブルーはひたすらバジルを追って走っていった。
どれほどの距離を走っただろうか。
ボンゴレブルーはバジルを見失い肩で息をしてしまう。その場で倒れてしまいそうだ。
「ご、ごく、でらくん…はぁ、一体…どうしたの…?」
しばらくしてから他のメンバーも追いついた。けれどその間にボンゴレブルーは何とか息を整えバジルの消えた向こうへと行こうとしている。
「ちょっと…その向こうに一体何があるってのさ」
「わかんね…でも、行かないと…」
その向こうに何もなくてもいい。ただ確認を取りたかった。何があるとは思ってなかった。そこまで思う余裕はなかった。
…なのに。
「―――――なんでお前がここにいるんだ?」
そこにいたのは漆黒の影。それは紛れもなく今まで捜し求めていた姿。
「リボーンさん・・・!」
「え…? あ、リボーン! こんな所で何してんだよ!」
「キミこんな所にいたの。…全く手間取らせて。どこか出掛けるなら事前に連絡しておきなよね」
「…賛成。リボーンが居なくなるだけでこんなに歩きまわされるなんて嫌ですよ僕」
次々と現れる影。それは仲間。
「…さぁ、リボーンさん帰りましょう」
手を伸ばすボンゴレブルー。しかし司令が返すは冷たい目。
「…リボーンさん?」
「オレはもう戻らない」
「え…」
司令の口から出てきたのは、まさかの否定の言葉。
「悪いな。こっちの方で予定の変更があったんだ。…オレは今からお前らの敵だ」
「…何を…」
「…そうだな。オレがお前らの上司として言えるのはこれだけだ」
そう言うと司令はボンゴレンジャーに向き直り…
「ボンゴレンジャー司令最後の命だ。…オレを討ってみろ」
司令がそう言うと、突風。
思わずボンゴレンジャーは目を瞑ってしまい、そして目を開けた先には…司令の姿はどこにもいなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バジルの奴…一体何を考えてやがる?
マフィア戦隊ボンゴレンジャー!!
説明しよう! マフィア戦隊ボンゴレンジャーとは…
「10代目…リボーンさんの言うことは…一体なんなのでしょう…」
「さぁね。情報が少なすぎて今のところなんともいえないよ」
「はい…」
「でも。リボーンをあのまま放っとく気はないけどね」
「はい。…もう一度、話を聞きたいです…」
「…もー、獄寺くんをこんなに困らせて。リボーンったら本当悪い奴だー」
「…10代目は」
「ん?」
「10代目は…リボーンさんがいなくなっても…ボンゴレンジャーを続けますか?」
「…続けるよ。だってオレは、リボーンが居るからボンゴレンジャーやってるわけじゃないんだから」
「10代目…そうですよね。全てはこの街を守る為ですよね・・・!」
「いや…この街って言うか…」
「え?」
「いや、なんでもないよ? そういえば獄寺くん、これからどこ行くの?」
「あ…ちょっと生活費を落とそうと銀行に…」
「………銀行か…じゃあオレも一緒に付いて行っても良いかな?」
「はい」
ボンゴレレッドとボンゴレブルーは二人して銀行の自動ドアを潜った。
「金を出せー!」
なんか、いきなり銀行強盗されていた。
「…10代目! いきなり並盛の危機です!!」
「うん! ヴァリアーなんかよりもある意味もっと危険だね!!」
「では、今から警察に連絡します!!」
「うわぁー、現実的ー」
その後銀行は警察に任せて街角を歩くと引っ手繰りにあい、
帰ろうとバスに乗るとそのバスは狙ったかのようにバスジャックされ、
そしてボンゴレレッドに促されて遊園地に行けば、乗った観覧車には爆弾が仕掛けられていた。
「…ヴァリアーがいなくても、やっぱり街は危険ですね・・・!」
「あー…うん。そうだね」
「今日は疲れましたからオレもう寝ますね。おやすみなさい。10代目」
「うん。お休み獄寺くん。また明日ね」
「はい」
マフィア戦隊ボンゴレンジャー!!
説明を再開しよう! マフィア戦隊ボンゴレンジャーとは、(街を歩けばとりあえず何かしらトラブルに巻き込まれるというトラブルの星の下に生まれたボンゴレブルーを助け、そのついでに)並盛の平和を守る為に結成された正義の組織だ!!
ただしボンゴレブルーはその事実を知らない! 彼は普通に世の中は事件でいっぱいなんだと思っている!!
今日も明日も彼は何かしら事件に巻き込まれる! そしてそれを助けるボンゴレブルー以外のボンゴレンジャーであった!!
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ボンゴレブルーのために、戦えボンゴレンジャー!!