ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちの優しいリボーン?」
「は?」
「獄寺くんが落としたのはこのいつも獄寺くんに対してだけ冷たいリボーン? それともこっちの普通に獄寺くんにも優しいリボーン?」
「な、何でそんなにピンポイントに言ってくるんですか…?」
「気にしない気にしない。さぁ、それでどっちだ?」
「どっちって………そりゃ、さっきから姿が見えないのはその……オレにいつも…冷たいような気がするリボーンさんですが……」
「うわぁ良い子がいるよ! 馬鹿正直っ子がいるよ! 珍しい! こんな子何世紀ぶりだ!!」
「そ、そんなことより早くリボーンさんを!!」
「うんうん。正直者の可愛いかわいい獄寺くん。良い子なキミには特別にこっちの獄寺くんにも優しいリボーンをあげよう」
「は?」
「はい。ばいばい〜」
「ちょ、10代目、10代目ー!!!」
「…そんな夢を見ました」
「獄寺くん…疲れてたの?」
「否定出来ません…」
「やれやれ。で、続きは? リボーンは優しかった?」
「そうですね…あのあとオレが声をかけたら「なにをしてるんだ獄寺。さっさと帰るぞ」って言ってくれました」
「? うん」
「優しかったですよね」
「…え!? どこが!?」
「? え? ほら、なんとオレに声を掛けて下さってるんですよ?」
「……………」
「優しいです」
「ちょ、リボーン! もう少し獄寺くんに優しくしてやれ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ああ、今思い出してもなんてお優しいリボーンさん。
ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちの微妙に優しいリボーン?」
「…はい?」
「獄寺くんが落としたのはこの獄寺くんとかマジでどうでも良く思ってそうなリボーン? それともこっちのどことなく獄寺くんに優しい気がしないでもないリボーン?」
「…え……えぇ!?」
「…このどっちでも然程変わらないような二択にも動じるとは……日頃のリボーンてどれだけ冷たいのか」
「あ、あの…その、……………いえ、いくら考え直してもリボーンさんはオレに優しくないのでいつもの冷たいリボーンさんで!」
「獄寺くんこんなときぐらい我侭言っていいんだよ!?」
「でも…今お姿が見えられないのは、やっぱりいつものリボーンさんですから!」
「獄寺くんそんな諦めた顔しないで!? ほ、ほら! こっちの微妙に優しいリボーンあげるから!!」
「え? でも…」
「元気出してね、獄寺くん!! じゃ!!」
「ちょ、えー!?」
「…と、いう夢をですね…」
「獄寺くん…大丈夫?」
「自信ありません…」
「…で、リボーンはどうだったの?」
「えっと、そのあと帰ったんですけど帰り道が獣道だったんですよ」
「うん」
「その獣道をリボーンさんが先陣切って無言で物凄い勢いで進んで行きました」
「獄寺くん置いてきぼり!?」
「いえ、必死で付いていきましたよ。かなり苦労しましたけど」
「全然優しくないじゃん!!」
「それがですね…なんと、リボーンさんが先に進んでくれたおかげで道が出来ててですね。進みやすかったです」
(…それ、ただの結果論じゃ……)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さりげなく優しいリボーンさん…素敵でした。
ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちの獄寺くんにも優しいリボーン?」
「え………っ!?」
「獄寺くんが落としたのはこの獄寺くんを正直鬱陶しく思っていそうなリボーン? それともこっちの女子供並みに獄寺くんにも優しいリボーン?」
「むしろ10代目今ショッキングなこと言いませんでした!?」
「ごめん口が滑った。それで―――どっち?」
「え…どっちって……どっちって………え!?」
「おー、悩んでる悩んでる」
「―――ぐす。それでもオレを鬱陶しがってるリボーンさんです…」
「獄寺くん泣かないで!?」
「リボーンさんごめんなさい…オレ、鬱陶しかったんですね……でもオレの都合でいつものあなたを湖の底に沈めるわけには行きません……ぐすぐす」
「ごめん獄寺くんごめん!! なんか知らないけどごめん!! 謝るからこっちの優しいリボーンあげるから泣き止んで!?」
「え…?」
「じゃあね獄寺くん! 浸水自殺とかしちゃ駄目だからね!!!」
「10代目ー!?」
「………我ながら変な夢でした…」
「夢は願望を写すとか聞いたことあるけど…獄寺くん死ぬの?」
「死にませんよ何言ってるんですか!!」
「いや、ごめん…それで、どうなったの?」
「"今まで悪かったな"って、頭を撫でて頂きました」
(…それは"優しい"のか…?)
「………どうしましょう!? これは夢でしょうか!? ちょっと手首切って確かめて良いですか!? 痛かったら夢なんですよねっ!!」
「獄寺くんまずそのナイフ仕舞ってー!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
嗚呼…っあの素敵なリボーンさんが頭から離れません…!!
ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちの抱き付き癖のあるリボーン?」
「抱き付き癖………!?」
「獄寺くんが落としたのはこの獄寺くんが触れたこともないリボーン? それともこっちの獄寺くんにも漏れなく抱き付いちゃうリボーン?」
「ちょ、ちょ…! なんですかそのリボーンさん反則・・・!!」
「…選択肢出しといてなんだけど、こんな奴に抱きつかれて嬉しい?」
「嬉しいですよ当たり前じゃないですか!! ああ、でも…でも……………でも…っいつもの、冷たい、リボーンさんで・・・!!」
「獄寺くん無理しないで!!」
「オレだって本能の赴くまま叫びたいですけど、嘘はいけないとリボーンさんに習いましたから!!」
「獄寺くん呪いの言葉を吐くみたいに声にドス効かせないで! 怖いから! はい、こっちの抱き付きリボーンあげるから!!!」
「…10代目…?」
「ぶっちゃけこんな奴に抱き付かれても嬉しくもなんともないけど、獄寺くんが喜ぶなら…!!」
「10代目それいつもリボーンさんに避けられてるオレに対する嫌味ですか!?」
「…すいません、オレ…夢の中とはいえ10代目に暴言を…」
「いや、構わないけどさ…」
「でもいくら10代目とはいえあの発言はないと思います。ぶっちゃけ殺意覚えました」
「ご、獄寺くん! 夢の続きはどうなったのかな!?」
「はい! リボーンさんが…リボーンさんがオレの胸の中に…!!!」
「よ、良かったね獄寺くん!!」
「はい! 幸せでした! 夢にまで見たリボーンさんとのハグが・・・!!」
(いや、それも夢なんだけど…)
「オレ…あれが永遠のものになるのならずっと寝ていたって構いません!!」
「それほぼ死んでるから!!」
「むしろそれが出来ないかどうか今からシャマルのところ行って相談してきます!!」
「獄寺くん! 本気で良い顔でダッシュしないで戻ってきてー!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リボーンさんを今一度オレの胸の中に!!
ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちのヘタレリボーン?」
「は…? 10代目何を言って……」
「獄寺くんが落としたのはこのいつも通りに獄寺くんに厳しくも冷たいリボーン? それともこっちのorzが常に似合いそうなリボーン?」
「ですから10代目さっきから何言ってるんですか!?」
「何もなにも、二択。さぁどっちだ獄寺くん」
「そんなの…いつも通りのオレに厳しくも冷たいリボーンさんに決まって……………orz」
「ああ! 獄寺くんが項垂れた!! 予想外!!」
「いや、まぁ…分かってましたけどね…分かってますけどね……リボーンさん…オレに冷たいですけどね…!」
「獄寺くん遠い目しないで!!」
「誰がさせたんですか…まぁ、その、早くリボーンさん返して下さい…オレに冷たいリボーンさんを!!」
「獄寺くん自棄になってない!? じゃあそんな獄寺くんにこそこっちのヘタレリボーンをあげよう!!」
「何故に!? 何故にですか10代目ーーー!?」
「……………」
「……………」
「何故にですか? 10代目」
「知らないよ…てか、リボーンはどうだったの? ヘタレだった?」
「えーと……」
「? うん」
「……………」
「…………?」
「…有りです」
「は?」
「あんなリボーンさんも………意外に有りですっ!!!」
「ちょ、ま、待って獄寺くん!! キミは一体何を見たー!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言うなれば…言うなればそう、ギャップ萌えです! ああ、リボーンさん…!!
ばっしゃーん。
「? …リボーンさん、今何かが落ちたような音がしませんでしたか? ってあれ? リボーンさんどちらに?」
パァァァァアアアア…
「ん?」
「こらー。泉にゴミ捨てちゃダメでしょー」
「え…? 10代目!?」
「10代目? オレはこの泉の精……ってキミ可愛いねーひとり?」
「いやあの…リボーンさんという方と一緒だったんですけど…」
「リボーン? それってこのゴミ?」
「いくら黒いからってリボーンさん捕まえてゴミって酷いですね10代目!!!」
「まぁまぁまぁ…ところでキミが落としたのってこのいつもの冷たいリボーン? それともこっちの自由なリボーン?」
「………自由…?」
「獄寺くんが落としたのはこっちの俗世の世界にまみれ汚れきったリボーン? それともこっちの純粋無垢なリボーン?」
「そう言われると選ぶのにも抵抗がありますが…その、前者の方で」
「じゃあこっちの汚れたリボーン?」
「…別に汚れてはないと思うんですが………まぁそちらの方で」
「うん。正直者だ。正直者の獄寺くんにはこっちの綺麗なリボーンをあげよう」
「は? ちょ、10代目!? そんな、渡されても困りますっ!!」
「じゃあね獄寺くん! お幸せにー!!」
「10代目ー!! って、ああ…10代目が湖に沈んでしまわれた………ってか、どうしよう…このリボーンさん寝てるけど……」
「………zzz」
「10代目こっちのリボーンさんは自由って言ってたな………どういう意味だ…?」
「…zzz……、」
「あ…リボーンさんが起きる……? って…もしかして自由って、呪いから解けて自由になったリボーンさん、って意味か!? リボーンさん!? おはようございます!?」
「バーブー」
「あれー!?」
「………まさかの予想外の展開でした…」
「いや、オレは大体予想付いたけど…」
「それから大変でした…リボーンさんを抱き抱えて何とかマンションに帰って…その途中赤ん坊を育てるために必要なもの買い揃えて…」
「育てる気満々!?」
「だって10代目! オレのせいでリボーンさんが赤ん坊になってしまわれたんですよ!? いえ最初からリボーンさん赤ん坊ですけどっ!!」
「獄寺くん落ち着いて!? 深呼吸深呼吸!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あのリボーンさんは無力で頼れるのがオレしかいないんです! その状況でどうして放っておくことなど出来ましょう…って10代目聞いてます!?