「んー…」


「お。隼人起きたか」


「シャマル…?」


「おう。朝飯出来てっぞ。食うか?」


「食べる……シャマル。醤油取って…」


「はいよ」


「…シャマル、お茶お代わり…」


「はいはい」



「………」


「………」



「…ごちそうさま」


「おう。お粗末様」



「………」


「………」



「…あれ? そういえばなんでシャマルがうちにいるんだ?」


「反応遅!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

起床。










「やっほー! 獄ちゃん今日も良い天気だねー!」


「おっす内藤。…暑苦しいから近付くんじゃねぇ」


「あ、ひっどー! 獄ちゃん冷たいー! 季節はこんなにも暖かい春なのに!!」


「関係ねーだろ季節はよ」


「関係あるある! 季節によって人の心も移ろうものなんだよ!」


「…お前もか?」


「とーぜんじゃん! オレの心も獄ちゃんの心も季節によって行ったり来たり?」


「………」


「………」


「いや、それだけはないだろ」


「あー! 獄ちゃんひっどー!」


「あー、うぜぇ…」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

登校。










プルルルルルルル。



「…ん? 跳ね馬…? ―――なんだよ」


『おっすスモーキン。今そっち授業中だろー? さてはサボりだな?』


「…切っていいか?」


『あははははは! そう怒んなって』


「それで何だよ」


『ん?』


「用件。なんかあるから電話してきたんだろ?」


『ああ、いや。ただ単にスモーキンの声が聞きたくなっただけなんだ』


「はぁ?」


『ああ、愛しのスモーキン。出来ることならお前を抱きしめたい。つーか押し倒したい


「………」


『でもそれもこんな離れた場所からじゃ無理だからこうして電話で何とか我慢しようとしてるんだ。うわ、オレ偉くねえ?』


「……跳ね馬」


『なんだ? 愛しの隼人?』



「 い い か ら 黙 っ て 仕 事 し ろ 」



ブツッ



「………はぁ。次の授業はちゃんと受けよう…」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

午前授業。










「獄寺ー、隣いいか?」


「ん? …まぁ別に構わねぇが」


「――ちょっと山本。今獄寺くんと午後の一時を楽しんでるのはオレなんだけど?」


「…? 10代目? どうしたんですか? どうしてオレを抱き寄せるんですか?」


「そう意地悪言うなよツナー。オレだって獄寺と楽しみたいんだよ」


「…の。山本とは一度思いっきり話し合う必要があるみたいだね……」


「お。やるかツナ。負けねぇぞー」


(…なんで三人で過ごすって選択肢が生まれないんだ?)



「…全く、馬鹿だよね」


「何でお前までいるんだ雲雀。お前群れるのは嫌いなんじゃなかったのか」


「気にしない気にしない」


「…お前、性格変わったよな……」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み。










(あー、本当、今日は良い天気だなー…)


(午後の授業たるいし、10代目もいないし…今日はもうサボろうかなー…)


「極限ー!」


(…ん? ボクシング部か……暇だし、顔でも出してこようかな)



ガラッ



「おーっす、しば…」


「今年こそタコヘッドをゲットするぞー!!」


「………あ?」


「学園交際までは行かずともせめて手を繋ぐくらいは!!


「―――えーっと…」


「おいコラ了平。オレも応援してやるぞコラ」


「おお! それは誠か師匠!!」


「おう。最低下校デートぐらいはさせてやるぞ」


「なんと・・・! ―――よし! では気合を入れたところで、奴の教室まで乗り込むか!!


「………」



ぱたん。



「…あれだ。ほら。………春だから」


(………)


「…見なかったことにして、帰ろう」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

午後授業。










「隼人殿ー!」


「あん? …あーっと、てめぇは確か…バジル?」


「おお、知っていたとは光栄の極み!」


「…ま、その節は世話になったしな。それで、何か用か?」


「実は隼人殿と親睦を深めたく思い、こうしてやってまいりました!」


「そ、そうか…でもそんな親睦を深めるような仲でもない気がするんだが…」



「何を申しますか!」



「うぉ!?」


「隼人殿は沢田殿の一番の部下! そして拙者は沢田殿のお父君の一番弟子! 言わば我らの関係は義兄弟!!


「おぉ…い、言われてみればそんな気も…」


「なので我らが親睦を深めるのはもうこれは至極当然! 然るべき決定事項! むしろ自然の摂理!!


(…そこまで言い切れるって、すげぇ……)


「そんなわけで今からどこか行きましょう。ていうかもうぶっちゃけデートしましょう


「………」


「どうかなさいましたか? 隼人殿」


「…いや、いい。なんかストレートすぎて逆に断る気が失せた…」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

下校。










「…あー、色々あったけど無事に帰ってこれたー…って」


なんでオレの部屋の明かりが点いてるんだ…?


オレ、確か電気消してから出かけたよ、な…?


「しかもドア開いてるし」


………鍵…締めたよな? オレ。


「あれー? 隼人兄そんなところで突っ立ってどーしたの?」


「…そういうお前こそオレのうちで何してんだ?」


「ツナ兄の所が大所帯になってきたから隼人兄の所に避難してきたのー!」


うわぁオレの意思無視かよこのガキ。


「あれ? 駄目だったら今からツナ兄の所まで戻るけど?」


「…あー、10代目に迷惑を掛ける訳にはいかねぇ。分かった。泊まってけ」


「わーい!」


「………そういえば、なんでお前オレの部屋の鍵なんて持ってんだ?」


「…えへへー」


笑って誤魔化した!?





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅。