こんにちは。オレの名前は沢田綱吉です。
実はオレまだ中学生なんですけど、既に将来っていうか、むしろ生涯を誓い合った恋人がいます。
そんな彼の名は獄寺隼人。
―――彼? ていうか隼人?
…ええ、確かに彼は男です。
あ、一応言っときますけどもちろんオレも男です。
でもオレ、彼のことが好きなんです。愛してるんです。
だって可愛いんですよ彼。外見は一見どうしようもなく格好良いんですけど、中身がもう放っておけないぐらい可愛くて。
彼オレを見たらまっしぐらに駆けて来るんですよ? それはもう満面の笑みで。「10代目10代目ー」って。まるで子犬みたいに。
…あ、「10代目」ってのはオレのあだ名みたいなものです。気にしないで下さい。
それにですね、彼、隠し事が下手なのによくオレに隠し事するんですよ。オレにはばればれなのに。
でもそれ大体オレの為なんですよ。しかもなんで隠し事するのかってオレを驚かせたいからとか、オレを喜ばせたいからとか。そんな可愛い理由で。
そんな彼の内面を知ってからは格好良いはずの外見すらも可愛く見えてくるものですから末期です。
いいんです。幸せですから。
そんな可愛い彼ですから、ライバルも男女関係なく大量にいるのですけど負けません。
だって彼はオレを選んでくれたのですから。むしろ負けられません。
「10代目ー!」
…あれ? 獄寺くん?
「こんな所で何してるんですか?」
いや、特に何をしているわけじゃないけど…獄寺くんは何かオレに用?
「え、用といいますか…」
うん。
「その、ただ単に10代目に逢いたかっただけなんですけど…」
………。
「―――10代目?」
むぎゅ。
「わ、どうしたんですか10代目! 急に抱きついてきて!!」
…ね? この子可愛いでしょ?
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ね? じゃねぇ。