―――本当に、行くのか?



そりゃあ。もう、ここにいるわけにも、いかねぇし。



この村に住んではどうだ? あの子供も喜ぶだろう。



…あのな。オレは、誰かさんのせいで"悪しき魔物"っていうレッテルを貼られたんだけど?



―――いや、その…その節は、すまなかった。



……別に。怒っちゃいねぇよ。あんたのせいって訳でもねぇし。



――うむ。しかしそれではオレの気が済まぬ。どうだ。オレが村人に交渉してやろう。



だから良いって。適当にその辺ぶらつきながら旅するから。



しかしだな……



――あー、もう良いって! オレはもう行く! じゃあな!!



しかし……





―――あの子供は、オレとは違って手強いかも知れぬぞ?





………と。ここまで来れば…平気か……?



何が、平気なのさ。



―――!! つ、ツナ…



なんで何も言わずに出て行っちゃうかな!! オレが気付かなかったら、永遠に誤解したままだったよ!!



い、いやそのな……



嫌も何もないの! まったく、呪いが消えてそのまま死ぬと思いきや、まさか魔物から神様に昇格なんて!!



だ、だからその……悪い。



ダメ! 絶対許さない! 罰として―――



ぎゅぅぅぅぅぅぅうっ



んな―――!? ツナ、離れろー!!



ダメー!! 絶対離れない!! これは罰!! 絶対許さないんだからー!!!



ぎゃー!!



……ふふっ



―――ツナ?



あはは! お帰り、お帰り獄寺くん! これからはずっと一緒だよ!!





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何があっても。どんなことになろうとも。

もう絶対に―――離れない。


つづく