暗い部屋。


明かりの点いてない室内を、唯一の光源であるパソコンのディスプレイが薄っすらと照らしている。


パソコンを見つめているのはボンゴレ10代目こと、沢田綱吉。





「…あれ、やらないんだ」





そう呟きながら送られる視線の先。ティスプレイに映る内容。


獄寺とリボーンが一緒に眠っているシーンが映っている。


それはまさに今行われていること。リアルタイムの映像。


パソコンからは獄寺の自室を様々な角度から撮られた映像が何分割もされて映っている。


ツナは別のパソコンに視線を移し、操作する。


画面に映るは、やはり獄寺の自室。


映っているのは、数時間前の記録。


一人で眠る獄寺。


そこに音もなく、無から現れる―――六道骸。


骸を中心に薄い霧が辺りを充満し。


骸は無遠慮に寝具に乗り込み、獄寺の衣類を剥がし始めた。


獄寺は眼を醒まさない。


不自然な程に、侵入者に気付かない。


もう、この時には既に獄寺は幻術に囚われているのだろう。そこで犯されているのだろう。


獄寺の裸体を骸はしげしげと見詰める。ツナも画面越しから見詰める。


白い裸体だ。


綺麗な裸体だ。





これから…穢される裸体だ。





骸は獄寺に覆い被さり、ゆっくりと…時間を掛けてその身を喰らっていく。


舌を吸い、


唾液を啜り、


首筋を舐め、


胸を噛む。


ツナはその様子を、黙って見ている。


先程…リアルタイムで見ていた時と同じように、表情を変えずに見ている。


ツナは全てを知っていた。気付いていたのだ。


その気になれば、骸を止めることも…獄寺を助けることも出来たのだ。


けれどツナはその行動権を放棄し、傍観している。


骸は自身の性器を獄寺の肌に擦り付けていた。


十分に膨張したそれを…獄寺の秘部に押し当てて。


その瞬間だ。


リボーンが現れたのは。


全力で走ってきたのだろう、珍しく息が乱れていて。


獄寺と骸を視界に収めるや否や、骸を即撃った。


霧が霧散する。


長い時間囚われていた、犯されていた獄寺が解放される。


そこから始まるのは、獄寺が求め、リボーンが応えた"上書き"だ。





『ん―――んん、』





獄寺の喘ぎ声が、スピーカーから漏れて室内に響く。


画面の中ではリボーンが獄寺の身体を愛撫している。




『ぁ…あん!!』





甘い声。


快楽にとろける表情。


熱に浮かされ、徐々に乱れていく身体。


いつもの獄寺とは、まるで別人だ。


ツナは二人の営みを、無表情で見続ける。


もう一つのディスプレイでは、安心しきった獄寺がリボーンに寄り添い幸せそうに眠っていた。





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何も知らぬ獄寺は、今はただ愛する人の隣で眠り続ける。

すぐ傍で、燃える狂気の炎に気付くことなく。


To be continued...?