覚えていますか?
昔の話です。
なんの話題が切欠だったのか、あなたはオレに好きだと告げてくれましたね。
あなたはそれまでも、度々オレにそういう言葉を口にしてくれていました。
オレはそんなあなたの言葉が嬉しい以上に驚いて、顔が赤くなって、戸惑って。
あなたはそんなオレが面白かったのか、笑って、からかって。
いつしか、何故だか。オレの想いもあなたに告げなければいけない流れになっていて。
けど、思えばオレは、一度だってあなたにそんな言葉を告げたことはありませんでしたね。
だからもう、恥ずかしいのなんのって。
でも、もちろんオレだってあなたのことが好きでしたから。自分の気持ちを告げたい思いも、あって。
でも、いざあなたと向き合うと、言えなくて。
頑張ってどうにか言葉を喉まで押し出したのに、何かに引っかかってしまったかのようにそれ以上出てくれなくて。
そんなオレを見て、あなたは笑って。暗に「無理して言わなくていい」って、言ってくださいましたね。
なんだかオレはバツが悪くなってしまって。
「…あなたは読心術が使えるんだから、オレの気持ちなんて言葉にしないでも分かるでしょう?」
って言ってしまって。
…想いを告げるのが嫌なんじゃないんです。
ただ、素直になれない自分がいるんです。
あなたはオレの言葉を肯定しましたね。
だけど、そのあと………
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…ねぇ、リボーンさん。
あの日のこと。覚えていますか?
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