快晴だった。
雲一つない、晴天だった。
シャマルの運転する車の助手席に座って。窓から差し込む日差しに目を細める。
「なんだ。楽しそうだな」
そうか? まぁそうかもな。
長年の夢が叶うからな。
と、メモに書いて見せてやる。シャマルは横目でメモを見て、
「夢? …ああ、右腕の話か。なんだお前まだ諦めてなかったのかよ」
と言ってくる。…てか、いや、夢って実はそっちじゃないんだが。…まぁいいか。
この夢はオレにだけ分かればいい。密かに胸の内に秘めていたものだから。
喉が治る。声がもう一度出せるようになる。
随分と昔に諦めていたことだ。それがこんなに時が経ってから叶うだなんて。
「言っとくが、100%治るかどうかは分かんねーんだからな」
分かってる。
「…まぁ、何が何でもオレが治すけどよ」
ん? なんか言ったか? シャマル。
「―――もし治ったとしても、暫くは喉が痛むって言ったんだよ。落ち着くまで飯も食えねぇ。すげー辛ぇーからな。覚悟しとけ」
だから分かってるって。
つか仮にも医師が患者を不安にさせるようなこと言うなよな。
オレは空を見上げて。喉に手をやる。
…リボーンさん。
オレの喉、頑張って治してきます。
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オレの声がまた聞けるようになったら、嬉しいですか?
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