一瞬、気を失っていたのか、気が付いたらオレは男に組み伏せられていた。


「…てめっ」


睨み付けるオレに、男が眉をひそめる。


「………噂はデマだったか? あれの大事な物は喉を潰されたと聞いたのに」


その言葉で、目の前のこいつがリボーンさん絡みなのだと気付いた。


「まぁ、いい」


男がオレの首に―――喉に、手を伸ばす。



「もう一度、潰れろ」



男が、手に力を入れると。


ブヂュリ、という嫌な音が身体の内側から聞こえて。


喉に激痛が走った。



「―――――!!!」



絶叫を上げた気がした。


けれど口から声は出てこなかった。


つーか、声どころか呼吸が出来ねぇ。


血が、喉からあふれる。



血に溺れる。酸素が入ってこない。



男がオレの喉から手を離した。


オレは思わず喉に手をやり、身体をくの字に曲げる。


横目で男を見ると、奴は自身の血で濡れたナイフを大きく振りかぶっていた。


男はオレなど見ていない。既に目の焦点が合っていない。つーか、片目が抉れてて、まるでホラー映画のゾンビみたいだ。



ああ、もう、やめろ。


オレの身に何かがあったら、またリボーンさんが気に病むじゃねぇか。



男はナイフをオレへと返した。


オレの胸に刺すことで。





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男は止まらない。