リボーンさんがオレにキスの雨を降らせる。
髪に、額に、頬に、耳に―――首筋に。
「ん―――んん、」
くすぐったくて、思わず身が捩れる。
耳を舐められ、軽く噛まれ…驚いて大きな声が出た。
「…大丈夫か?」
「は、はい―――ぁあっ」
今度は首筋を吸われた。
ビクビクと身体が震える。
これは…困った。
想像以上に…恥ずかしいぞ。これ。
リボーンさんが心配そうにオレを見る。
「…痛かったか?」
「い、いえ…その…何と言いますか……」
すごく、くすぐったかったんです、とオレは小さな声で呟いた。
それはリボーンさんの耳にも届いていたようで、リボーンさんはそうか、とオレと同じように小さな声で呟いた。
リボーンさんの指先が、唇が―――夢で見たのと同じように、オレの胸へ。
「ぁ……」
片方は指で捏ねられ、片方は舌先で転がされる。
リボーンさんの空いてる方の手が、オレの臍に触れた。
「ひゃ……ん…っ」
「…ここも弱いんだな」
「わか…んない、です…っ」
リボーンさんは微笑み、オレの脇腹に腰…太ももと、指を、舌を這わせる。
オレの口から洩れる声が段々と、大きくなる。
そして…やがて。
リボーンさんの指が、オレ自身に触れた。
オレの呼吸が、一瞬止まる。
それを見逃すリボーンさんではない。
「…ここでやめるか?」
「い、いえ…」
リボーンさんは暫し迷っていたようだったが、オレの意思を尊重してくれたのか、やがてまたオレに触れてくれた。
その指先は優しく…気持ちよく。
何なら眠ってしまいそうだと思っていたら―――生暖かいものがオレ自身を包み込んだ。
「―――あぁっ!?」
その感触に、その行為に、驚きと羞恥に、声が抑えきれない。
リボーンさんが、オレのを、咥えて……
「り、ぼーん、さん…っそんなとこ…だめ……」
リボーンさんはやめてくれない。
それどころか、だんだん激しくなってきているような。
舐められ、なぶられ、吸われ、少し噛まれて…
その衝撃で、思わず達してしまった。
…え、ちょっと待って。
オレ、もしかして、リボーンさんの口に……
「り、リボーンさん!!」
「ん?」
リボーンさんは口元を拭っている。
オレの顔が青褪める。
お、オレはなんてことを…!!
「気持ち良かったか?」
「気持ち良かったですけど! でも!!」
「なら良かった」
リボーンさんはオレに優しく触れ、
その指先は、オレの秘部に。
「―――っ」
オレの身体が強張る。
オレの脳裏に蘇るは、激しく、乱暴に出入りする蔓の数々。
「ぁ………」
呼吸が恐怖で荒くなる。
身体が怯えで震える。
リボーンさんが、オレの眼を覗き込んだ。
「…今日はここまでにするか?」
「は…ぁ……」
オレの中で、相反する二つの思いが交差する。
ここでやめたい思いと、まだしてもらいたい思いと。
リボーンさんはオレの顔色から何を読み取ったのか、オレから離れようとする。
ああ、駄目だ。
行かないで。
傍にいて―――リボーンさん。
オレはリボーンさんの腕を、思わず掴んでいた。
それはまるで幼子が親にしがみつくようにも似ていて…ああ、情けない。
「獄寺…その様子では……」
言葉が出ない。
言葉の代わりに、首を横に振って意思を伝えようとする。
リボーンさん、お願いします。
お願いですから…最後までして下さい。
リボーンさんは困った顔をしている。
だけど、やがて…オレをぎゅっと抱きしめた。
「…きっと、つらいぞ」
頷く。
「恐らく痛いし…お前は恐怖を覚えるだろう」
頷く。
「それでも…望むのか?」
頷く。
リボーンさんは深く。長く…考えていたが、やがてため息を一つ吐いて。
分かったと、根負けしたように小さく呟いてくれた。
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