「…たまには生身で楽しむのも悪くないですねぇ」
骸が笑う。
楽しそうに笑う。
…悪趣味だなあ。
あれから獄寺くんが気絶するまで―――獄寺くんが気絶してからも―――オレたちは獄寺くんを犯し。
そして今、骸は意識のない獄寺くんに更なる辱めを与えていた。
脚を左右に大きく開かせた状態になるようロープで寝具の両サイドと結んで固定し。
胸の飾りにはローターが二つずつ、挟むように取り付けられ。
散々オレたちが暴れ、欲望を放った場所は―――巨大なバイブで栓をされていた。
「手持ちではこれが手一杯ですかね」
いつも持ってるのかあ。
引くなあ。
今の骸にも引くけど。
骸は意識のない獄寺くんの口に、性器を入れていた。
あれだけ出したのに、骸は更に獄寺くんに欲望を放っている。
おかげで獄寺くんの顔も、口の中も汚れてしまっていた。
…そんな獄寺くんもまた、愛おしい。
「ん―――――…」
獄寺くんが呻く。
薄っすらと、眼を開く。
骸が性器を引き抜き―――それを獄寺くんの頬に擦り付けながら、笑顔で見詰めた。
「おはようございます、隼人くん」
「………ぁ、な、あ…」
獄寺くんが徐々に自分の状態に気付いていく。
口内に出された欲望に気付き、顔にも出されているのだと気付き―――拘束された脚に気付く。
「―――の、放せ、解け!! 殺してやる!!」
「可愛いですよ隼人くん。まるでひっくり返ったカエルみたいで」
「ふざけろ!!」
獄寺くんが暴れる。
それは無駄な努力に終わるけど。
骸は笑っている。
オレも笑っている。
骸はローターのスイッチを入れた。
「―――――っ!?」
初めて味わうであろう感覚に、獄寺くんの身体がびくりと震える。
骸が振動するローターに挟まれている飾りを、指でいじる。
「や、め―――っ」
「気持ちいいですか?」
「そんなわけ…っ」
「じゃあ気持ち良くなるまでいじってさしあげましょうね」
骸はそう言うと、空いてる方の飾りを舌先で転がした。
片方を指先で、もう片方を舌で刺激される。
それはどれだけの屈辱だろう。
獄寺くんは唇を噛み、耐えている。
なんていじらしい。
なんて可愛い、獄寺くん。
たっぷりねっとり時間を掛けて、骸は獄寺くんの胸をいじり倒す。
きっと獄寺くんにとっては、無限にも思えるほど長い時間。
骸はようやく口と指を離す。
飾りは突起し、赤くなっていて。
獄寺くんの口からは、荒い息。
終わったわけではない。
終わるわけがない。
むしろ、始まった。
「―――ああ、失礼。こちらが寂しがってますね」
骸はバイブのスイッチを入れた。
獄寺くんが苦痛の叫び声を上げる。
…そりゃあ、裂けてるんだから。あれだけ攻め立てたんだから、痛いに決まってる。
骸は笑いながら、激しく振動するバイブを掴み、わざと傷口に押し当てる。
…もっと見ていたいけど、ずっと見ていたいけど、そろそろ行かなきゃ。
「おや、綱吉くんどちらへ?」
「仕事」
「なんと真面目な」
「骸は?」
「有給使えます?」
「別にいいけど」
数ヵ月無断欠勤していた奴が有給とは笑わせるが、まあ、獄寺くんをいじめたいのだろう。
最初はリボーンへの嫌がらせの為に獄寺くんに手を出した骸。
でも、もう獄寺くんの虜になってしまった。
あれだけ獄寺くんを味わって、これだけ獄寺くんと交わって、病みつきにならないなど、ありえないのだから。
「骸。分かってると思うけど」
「え? ああ、ええ。幻術は使わない、ですね。はいはい」
「そう。それから…腕の縄は解かないこと。当然殺さないこと。ああ、薬も禁止。それから………連れ去らないこと」
骸の動きが、一瞬だけ止まった。
…図星か。
「お前の名前が骸から柘榴に変わりたくなかったら、この約束を守ること…分かったね」
「……………仕方ないですねえ」
嫌々、渋々といった様子で骸が言う。
…やれやれ。
―――そういえば。
オレは今更ながら思い出す。
「リボーンが、血眼になって探してたよ」
言うも、返事はない。
もう骸は獄寺くんに夢中だ。
オレはため息を吐き、獄寺くんの部屋を後にする。
寝てないけれど、今日もファミリーの為に頑張らなくちゃ。
10代目は大変なのです。
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